「農民」記事データベース20220801-1515-08

自宅から30キロ離れた小麦畑
遊休ぶどう畑を再生して

国産小麦の時代がやってきた

寺本さん(東総農民センター)親子の
熱い思いに感嘆
千葉


麦刈り最終盤 今年の出来は上々

 新日本婦人の会千葉県本部の麦トラストや大豆トラストの生産者で、東総農民センター会員の寺本幸一さん、利幸さん親子のお誘いで、6月の終わりに小麦の収穫作業にお邪魔しました。

 この日収穫が行われたのは東金市の畑。畑の隣には「ポラーノ広場」という天然酵母で焼いている素敵なパン屋さん兼農家レストランがあり、寺本さんの小麦を使った商品も並んでいます。

 小麦畑は、以前はぶどう畑でしたが、しばらく休耕していたところ、寺本幸一さんが「せっかくパン屋なのだから、小麦を作ってはどうか」と提案したそうです。

 しかし、実際には大変な苦労があり、土深くまで頑丈に固定されたぶどう棚の鉄骨材を、重機やハンマーを使って半年がかりで取り除きました。炎天下の肉体労働は特に大変だったそうです。

 ぶどう棚を片付けた後は雑草対策でそばを栽培し、収穫後に麦をまきました。麦畑の周りにはコの字で菜の花もまいたそうです。

 当日は息子の利幸さんがコンバインに乗り、幸一さんは手刈り作業。今年の収穫量は10アールあたり5〜6俵で、上々だそうです。

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トラックに載せて運んできたコンバインに乗る息子の利幸さん

 この東金市の小麦畑、じつは匝瑳(そうさ)市にある寺本さんの自宅から約30キロも離れています。県内のあちこちにある遊休農地を畑によみがえらせ、畔には花の種をまき、農地や景観を再生する寺本さんの意欲には、感嘆しかなく、その労を惜しまぬ姿には頭が下がります。

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お父さんの幸一さん

 「国産小麦の時代がきました! 日本でも小麦や大豆は十分育てられます。日本を穀倉地帯にして、自給率をあげていきたい」と、生産者と消費者、みんなへのメッセージとして語る寺本さん親子。この熱い思いに私たちの食は支えられているのだなと感じました。

(千葉県農民連 小島朋子)

(新聞「農民」2022.8.1付)
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2022年8月

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