「農民」記事データベース20220725-1514-11

旬の味


 子どもが小学校に入り、私もPTAの活動など役員の仕事を引き受けることになった。保護者からの意見を学校とつなぐ役目を仰せつかったわけだが、携わるようになってから見えてくることの多さに目が回る思いだ▼先日一人の保護者の対応の中で、少し意見の応酬をした。自分の意見に自信のあった私は、少し強引に決着をつける形をとって終わってしまった。その後その保護者とは、距離を感じるようになってしまった。白か黒かで判断し、お互いに意見を言いにくい関係になってしまった▼息子が5歳のころ、息子を嫌っている同級生に、帰り際息子は「さようなら!」とあいさつをしていたが、相手は無視。何回も無視されているようなので、「あいさつしなければいいのに」と言った▼息子は「いいやん、俺があいさつしたいんやから。俺が言い続けてたら向こうもあいさつしたくなるかもしれへんやろ」と言った。ハートの強さに脱帽。息子は関係性をつなぐことを大切にしていたのかと、ふと思い出した。

(恵)

(新聞「農民」2022.7.25付)
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2022年7月

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