発見
農の現場から
香川県農民連
行天(ぎょうてん)忠明
税金と援農で助け合う
農民組合の役割を実感
観音寺市
収穫遅れた仲間に援農隊を組織
香川県農民連は、高松農民組合、三木町農民組合、観音寺農民組合と3つの農民組合を組織しています。私が加盟しているのは、県内の西讃、愛媛県境に近いところに位置する観音寺農民組合です。
観音寺農民組合は、1978年(昭和53年)当時、この地方の主力作物であった葉タバコ農家の方から「所得税が高い、何とかならないか」という相談から始まりました。私は75年の観音寺市議会議員選挙に立候補(共産党公認)し当選。32歳の新人議員でした。
民主商工会の会長に相談したら、「学習会を計画したらよい」と言われ、地区内80軒の葉タバコ耕作者に封筒で学習会の案内を出しました。当日の公民館には24人の参加があり、その年3月の確定申告に9人が自主申告したのが始まりです。
待望の事務所と直売所を建設
組合の運営も紆余(うよ)曲折がありましたが、99年に組合員も120人を超え、毎回の会議や申告を各地区の公民館などを借りて行っていたので、事務所をつくろうという声が出ました。
数回の世話人会の議論の中で組合員一人当たりの寄付金1万5000円、世話人さんは6万円(3万円は寄付)を募り、99年5月に産直直売所「菜の花畑」と観音寺農民組合の新しい事務所がオープンしました。
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産直直売所「菜の花畑」 |
援農隊の支援でブロッコリーを
観音寺農民組合の確定申告の中心的指導者がブロッコリーの収穫が遅れて廃棄処分しなければならないとの話を聞き、組合の3役会議で援農隊を組織しようと話がまとまりました。援農隊員は忙しい人ばかりですが、2020年に持続化給付金を受け取った人を中心にお願いしました。
私たちの観音寺市はこれまで結球レタスの産地として栄えましたが、最近は高齢化が進み、後継者もなく、レタスは耕作者が激減していました。しかし、今は資材代がかからないのと、農協の支援事業もあってブロッコリーの耕作面積が増えています。
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地元の人たちが買い物に来る「菜の花畑」 |
3月26日と4月1日の朝7時に集合し、7人ずつで2日間、応援しました。このような取り組みは、農民組合40年の歴史で初めてです。今後もお互いに困ったときに助け合うことを確認した援農隊でした。農民組合の役割が発揮された取り組みになりました。
(新聞「農民」2022.7.18付)
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