鹿児島
出水市で農民組合を再結成!
家賃支援給付金の申請を
県連で支援したのを機に
やっぱり農家同士語り合える
場所があった方がいい
鹿児島県出水(いずみ)市は、県の北西部、熊本県との県境にある人口約5万人の街です。冬になると、シベリアから越冬のためツルが渡来することで知られています。水稲を中心に果樹、園芸、葉たばこ、畜産、植木等の生産が盛んですが、中でも2019年には鶏卵の生産額が日本一になったこともあります。
数年前までは農民連の組織があって、数人の会員が集まって税金申告の取り組みをしていましたが、会員の高齢化が進み、離農する人も増えて組織としての活動が困難になり、活動休止状態になっていました。
2020年の暮れ、出水市の市議会議員、中嶋敏子さんから鹿児島県農民連に「出水市の農家の人が、家賃支援給付金の申請を希望しているから、相談に乗ってくれないか」という連絡がありました。
「家賃支援給付金」は店舗や事務所などの家賃支援だけかと思っていたら、農家が借りている農地についても給付対象になることを知って、出水市に駆け付けました。
書類何度も修正 全員無事に受給
出水市では、6人の農家が申請を希望しているということで、申請のやり方をホームページで調べてみると、「持続化給付金」の申請に比べてそろえる書類も多く、農家の場合、何カ所も農地を借りている場合もあって、申請は大変面倒な作業になりました。何度も何度も添付書類の不備を指摘され、その都度修正してやり直しの連続でうんざりしました。
なかには50カ所以上も農地を借りている米農家がいて、領収書の束を見せられたときは、「このままでは期限までに申請が間に合わない」と焦りましたが、当初1月15日の申請期限が1カ月延長になり、何とか期限までに全員の申請を終え、給付金も無事に振り込まれました。
その後、中嶋市議の提案で「農家のことは農家同士で語り合える場所があった方がいい」ということで、農民連の組織を復活させて定期的に会合を開いて話し合おうと、21年4月から、中嶋市議の事務所に間借りして4人のメンバーで「いずみ農民組合」が再結成されました。今までに何回か新聞「農民」の記事を参考に学習会を開いています。
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いずみ農民組合会員の糸田耕一さん(左)と江崎康雄さん |
要求に応えて組織を大きく
以前の記録を調べてみたら、20年前、税金申告と軽油免税の取り組みで、出水市周辺の2市4町の9人の農家が集まって「出水農民連」を結成したようです。新聞「農民」も最高時で15人の読者がいました。
今後も農家の様々な要求に応えることで、かつての会員数を上回る10人以上の組織をめざして組織拡大に取り組もうと思います。
(鹿児島県農民連 有村晋治)
(新聞「農民」2022.7.18付)
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