北海道食といのちの会が総会と学習会
遺伝子操作生物の
監視など方針を確認
ゲノム編集の問題点学ぶ
「北海道食といのちの会」は6月11日、札幌市中央区の道民活動センター「かでる2・7」で第2回総会と、ゲノム編集食品の問題点とゲノム編集トマト全道アンケート調査に関する学習会を開きました。
学習会では、久田徳二会長が約1時間、日本が世界で唯一、ゲノム編集生物の社会実験場と化していることに警鐘を鳴らす講演を行いました。2020年12月に高ギャバ成分のゲノム編集トマトが承認されましたが、安全性審査、環境影響評価、表示義務のいずれもなく、食品トレーサビリティー崩壊の危機にあることを強調しました。
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講演する久田会長 |
ゲノム編集の問題点として(1)狙ったゲノム以外を傷つけるオフターゲット現象(2)ゲノム切断部位で起きる発がん性変異(3)ゲノム編集の確認マーカーに使う抗生物質耐性遺伝子の残留――などを指摘し、「国や開発企業は、多くの疑問に答えていない」と訴えました。
さらに「国際的なバイオメジャーは、遺伝子組み換え(GM)作物が頭打ちとなっている現状から、『消費者の健康志向』を前面に出す戦略に修正している」と指摘しました。
質疑では、マーカーの仕組みや社会に放出する懸念が表明され、ゲノム編集トマトと同じシシリアンルージュ種の栽培農家が交雑を避け、栽培を断念した事例に同情が寄せられました。
総会では、新年度の事業計画として(1)ゲノム編集を含む遺伝子操作生物の監視(2)グリホサート系除草剤やネオニコチノイド系農薬など危険な化学物質の抑制(3)有機農業、自然栽培及び生産された食品の流通と消費の振興――を活動の柱とすることが承認されました。
役員改選では、久田会長のほか、副会長の瀬川守・北海道有機農業研究会代表、武野伸二・北海道消費者協会専務理事、富沢修一・農民運動北海道連合会書記長、事務局長として山負h子・生活クラブ生協北海道理事長らを再任し、新たに尾崎圭子・北竜町町議を役員に選任しました。
(新聞「農民」2022.7.11付)
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