「農民」記事データベース20220704-1511-03

参議院選挙


自民党農政ではダメ!

群馬農民連副会長 上原 正
(養豚安中市)

画像  4年前に愛知県・岐阜県で発生した「豚熱」が止まりません。

 生産者は豚熱ワクチンの接種を認めてほしいと何度も政府や自民党に要請してきましたが、頑として認めませんでした。大産地の関東で発生してからようやく認めましたが、すでに手遅れで、この間約30万頭の豚の命が奪われてしまいました。

 現在はワクチンの効き目を良くするために2回接種を要請していますが、これも認めてくれません。万が一発生すればその農場は全頭殺処分となり、再開まで最低1年、出荷して売り上げになるまで2年間収入が途絶えます。どうやって暮らしていけばいいのでしょうか。

 一昨年から飼料など生産資材の値上げが相次ぐ一方、畜産物の価格は低下しています。とくに配合飼料価格は5割以上の値上げとなり、先がまったく見えません。基金からの補てんはあるものの、基金残高は十分ではありません。

 また、赤字を補てんする豚マルキン制度がありますが、この飼料高騰にもかかわらず発動されていません。豚熱と飼料価格の高騰で廃業が始まっています。農家の負担のないような制度の改正が必要です。

 世界全体で穀物や食品の値上げラッシュが続き「食べたくても食べられない」人が増大しています。日本の食料自給率はわずか37%しかありません。これは歴代自民党農政の責任です。もう自民党農政にはまかせることはできません。農政を転換させましょう。


銃弾1発よりおにぎりを

新潟県農民連 相澤 堅
(米農家十日町市)

画像  私の住む農村は、「日本の棚田100選」に選ばれるような棚田地帯の中山間地にあります。棚田は、日本の原風景と言われる美しい景観です。シーズンには多くの観光客や写真家が訪れますが、棚田の景色を守っている農家の平均年齢は60歳を遥かに超えていることはあまり知られていないように思えます。10年後、この景観や農地をどのようにすれば維持できるのか、その答えはいまだ見つかりません。

 そのような中で、私の周りでは「専業農家をしたい」と言うと、まず、家族に止められます。それは、経営を取り巻く環境が厳しいことを体験として知っているからです。上がりつづける生産費と反比例するかのように下降し続ける米価。先進国最低水準の、国民1人当たりの農業予算。原因は簡単で、農業への予算が足りていないのです。そしてそのために農家が減り農地が減り、国土が荒れていくのだとも思います。

 防衛費5兆円の使い道ですが、ぜひ自国の農地(国土)を守るために使ってほしいと思います。1発のミサイルを買うために、国土を荒れさせては意味がありません。兵器では人を幸せにすることは難しいですが、おいしい食べ物は簡単に人を幸せにします。

 1発の銃弾より、1つのおにぎりを大切にする、そんな政治を私は希望します。

(新聞「農民」2022.7.4付)
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2022年7月

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