飼料高騰対策 畜産農家支援
独自助成する県・自治体続々
臨時交付金を活用して
コロナ禍や穀物輸出国での干ばつ、ウクライナ危機などの影響による飼料高騰に苦しむ畜産農家に、独自の補助対策を行う都道府県や自治体が相次いでいます。
配合飼料については愛知県がいち早く今年1月に国の配合飼料価格安定制度に加えて県独自で上積み支援することを発表したほか、静岡県や鳥取県、兵庫県、三重県、滋賀県、徳島県、群馬県などが配合飼料への補助を発表。
補助額は、都道府県により違いがありますが、価格上昇分のうち、配合飼料価格安定制度でカバーされない額の2分の1(1〜3月分だと1トンあたり7900円程度)から3分の2という都道府県が多く、補助対象については、配合飼料価格安定制度への加入量に限定している都道府県が多数となっています。
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元気な子豚を抱く養豚農家の山武ウ子さん(千葉・横芝光町) |
しかし三重県や静岡県では、配合飼料価格安定制度への未加入分にも同様に補助する(静岡県は22年以降加入することが要件)ほか、鳥取県では牛の肥育農家や養豚農家に対しては飼料補助ではなく、経営への補助としてマルキン(生産費と販売価格の差額の9割を補てんする)制度が補てんしきれない1割のうち2分の1を支援するとしています。
また山形市や茨城県常陸大宮市、滋賀県近江八幡市など市町村でも飼料や畜産経営に補助する自治体が相次いでいます。
このように飼料や畜産への支援策が相次ぐ背景には、国から都道府県や市町村に対し、新型コロナと物価高騰対策として地方創生臨時交付金が配分されていることがあります。
この交付金はコロナ対策に限定せず、生活困窮者や学校給食への支援、農林漁業者への支援など、「都道府県や自治体が地域の実情に応じ」て物価高騰対策にも自由に使ってよいとされており、いま全国の自治体ではこの交付金の使い道が議論されています。
この機会を逃さず、全国で都道府県や自治体に畜産・飼料への支援強化を強く要請していく必要があります。
(新聞「農民」2022.6.13付)
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