農民連
飼料高騰で意見交流会
畜産農家救済する
抜本的対策早急に
飼料や乾牧草、燃油などが軒並み高騰し、いま畜産農家の経営が、かつてない危機に直面しています。とくに穀物が主原料の配合飼料は、南米産地の干ばつやロシアによるウクライナ侵略、アメリカのバイオエタノール需要の増加などさまざまな要因が重なり、2008年のリーマンショックを超える史上空前の価格高騰となっています。この問題で農民連と畜全協(畜産農民全国協議会)は4月28日、オンラインで意見交流会を開催しました。
|
率直な意見が活発に交わされました |
冒頭、笹渡義夫副会長が、「かつてない高騰の危機だが、配合飼料価格安定制度も、マルキン(肉豚・牛経営安定交付金)も、今の制度では農家を救済できない。新たな救済の枠組みが必要だ。ところが国は全く危機意識がなく、水田活用交付金も引きはがそうとしている。畜産現場の現状を大いに出し合い、運動を巻き起こしていこう」と呼びかけました。
続いて、養豚農家や酪農家、宮崎、岩手などの県連事務局員が、現状を出し合いました。
養豚農家からは、飼料高騰にも関わらず、豚マルキンが発動されていない問題が提起され、「発動の算定に使われる生産費が未公表なのは問題。実態と乖離(かいり)しているのではないか」との声が上がりました。
また飼料価格安定制度についても、基金が枯渇する可能性や、飼料価格高騰が続くと補てん額が減ってしまうなどの指摘が相次ぎました。
酪農家からは、配合飼料だけでなく輸入乾牧草も不足・高騰している問題に加えて、コロナ禍の需要減と畜産クラスター政策による増産で生産抑制が行われており、コストアップに応じた乳価の引き上げが難しい現状などが出されました。
また、養豚と酪農で共通して国産飼料、とりわけ飼料用稲の活用に大きく期待する声が相次ぎました。
(新聞「農民」2022.5.23付)
|