農業崩壊の危機のいま
埼玉農業をどう守るか
埼玉でシンポ 150人参加
さいたま市で4月16日、埼玉食健連、埼玉農民連、彩の国でんき、日本共産党埼玉農業・農民後援会などが参加する「埼玉の農業・食料を考える実行委員会」主催のシンポジウムが開かれ、約150人が参加しました。
|
報告する各パネリスト |
食料自給率低い
亡国の政治だ
実行委員会を代表して佐藤利昭副実行委員長が「コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻で食料危機に直面している。そのなかで埼玉農業をどう守るのか大きな問題だ」と開会あいさつしました。
基調講演を東京大学の鈴木宣弘教授が行い、「世界中で食料危機が言われるなか、日本は先進国で一番、食料自給率が低く、政府・自民党は輸入自由化と大規模化を叫んでいる。亡国の政治だ」と厳しく指摘しました。
続いて、各課題でパネリストが報告。埼玉農民連の松本愼一さんが、「五穀豊穣・豊作を喜べない自民党政治が日本の農林業を危機に直面させている。生産者、消費者、地方自治体が力を合わせて農業、食料を守ろう」と訴えました。
坂戸市で米麦125ヘクタールを耕作する生産者の原伸一さんは「4年前の台風19号で1億円の農業被害が出たが、多くの人に助けられ再建できた。しかしその直後に国土交通省が水田120ヘクタールを遊水地にする計画を発表し、農地をつぶそうとしている。世界でも低い食料自給率の国がやることなのか」と怒りを込めて告発しました。
農業を守るは
消費者の命守る
「なんてったって伝統食の会」の栗原澄子さんは、「日本人の健康は伝統食で守られている。その伝統食のもとである米や農産物が危険な輸入農産物にとって代わられようとしている。日本の農業を守ることは消費者の命を守ることにつながっている」と述べました。
「彩の国でんき」の吉村文則社長は「化石燃料による地球温暖化は一刻の猶予もできないところにきている。福島の原発事故の収束見通しもまったく立っていない。自然エネルギーを生かした電気を活用するしかない。農地でのソーラーシェアリングは地球の環境を守り、農業経営を守るうえで最適なものだ」と提案しました。
自民農政を転換
選挙で野党躍進
日本共産党の岩渕友参院議員は「農家を苦しめる自民党農政を転換させるために参議院選挙で日本共産党と野党の躍進を」と訴えました。
会場からは、「都市化の中にある、さいたま市の農業を守るために安全でおいしい有機農業の取り組みを強化したい」などの意見も出されました。
最後に、埼玉農民連の立石昌義会長が「今日のシンポが埼玉農業の発展と参議院選挙での日本農業再建勢力の前進につながるように全力をあげよう」と呼びかけました。
(新聞「農民」2022.5.2付)
|