北海道当別町
設立準備会を開催
水田活用交付金
“見直しの見直し” を求める町民の会
住民団体立ち上げ、反対の声届ける
札幌市近隣の当別町高岡地区で4月11日、町内会長などの呼びかけで、「水田活用交付金見直し」の見直しを求める町民の会設立準備会が行われました。
中山間地の高岡地区の水源は「ため池」で、長年の転作により、水源や用排水路の確保がきわめて困難な地域です。町内会の会合では「水田の機能がないことから、今年から交付金の対象から除外されるのでは」「畑地化しようとしても、支援対象から外されるのでは」という不安の声が広がっていました。
準備会には、小〇(こまる――岩手の農民一揆の旗印)と墨字で書いたムシロ旗を掲げ、18人が参加しました。鈴木岩夫町議が「この問題が出て、町長も約20億円の影響が出ると述べ、農協や土地改良区の会合でも重大問題として取り上げられ、12月の当別町議会で、全会一致で意見書が採択された。3月の道議会でも全会一致で意見書が採択され、交付金見直し問題は、北海道農業の大きな問題になってきた」と経過を報告しました。
|
会場には「小〇」のムシロ旗も |
大型風力発電も景観を破壊する
準備会には「風力発電を考える当別町民の会」の方も参加しました。同会は、同地域の山を切り開いて、大型風力発電を設置することで、美しい景観が損なわれることに反対して活動しており「山に続いて水田や畑も景観の一部、この景色を守っていこう」とあいさつしました。
会合のなかでは「農政事務所などへの要請では『これからどうしたらよいのか検討したい』『農業生産を守るために何が必要なのか、議論していきたい』と述べるが、具体的な中身が見えてこない」「5年間黙って様子を見ていたら間に合わない。離農する農家ややる気をなくす農家も出て、地域が成り立たなくなる」などの意見が出されました。
最後に、準備会設立を確認し、全町民を対象に「町民の会」結成に向け取り組んでいくこととし、準備会の代表は、高岡町内会長の石田秀人さんが務めることになりました。
4月25日に「町民の会」が結成されることになりました。
(北海道農民連副委員長 岸本辰彦)
(新聞「農民」2022.4.25付)
|