ゲノム編集トマト提供
企業・学校・福祉施設…
北海道内の自治体
「受け取り」はゼロ
北海道農民連も参加する「北海道食といのちの会」は、ゲノム編集トマトの苗を開発販売企業が学校や福祉施設に無償提供することに対して、道内179自治体の首長と教育長に対して、受け取りを拒否する要望書を提出していました。4月5日に記者会見を開き、要望書への回答について最終集計を公表しました。
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記者会見する北海道食といのちの会のメンバー |
134自治体(75%)から回答があり、未回答、不回答は45自治体でしたが39自治体がゲノム編集トマト苗を受け取らないことを明確に意思表示しました。
96自治体が検討中などですが、「受け取る」と回答した自治体はゼロでした。多くの自治体が「ゲノム編集トマト苗の受け取りを拒否する要望」を積極的に受けとめたことが示されました。
コメントでは、「客観的安全性が証明または確認されていない」「ゲノム編集トマトに関する情報と知見が不足している」「安全性を確認してから判断したい」などが多くあり、「ゲノム編集生物に関する情報不足が背景にあるのでは」と山崎栄子事務局長が報告しました。
久田徳二会長は「ゲノム編集トマト=ハイ・ギャバ・シシリアンルージュは、ギャバが多いことから血圧を下げる効果があると言われていますが、本当に効果があるのかどうかの解明もされていません。また、トマトの花粉は風速5メートルで1200キロ以上飛散するとのデータもあり、昨年4千の苗が無償提供されたことから、長年シシリアンルージュ・トマトを有機で栽培してきた、当会副会長の瀬川守さんは栽培を断念しました」と話しました。
こうした取り組みは、北海道の他に、宮城、香川、熊本、徳島などでも行われ、「全国に広げていくために活動を強化したい」としています。
ゲノム編集も遺伝子を操作していることに変わりはなく、安全性は確認されていないことから、表示を義務化すべきだと訴えています。
(北海道農民連 野呂光夫)
(新聞「農民」2022.4.18付)
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