「農民」記事データベース20220404-1499-08

福島県沖地震

田植えへ育苗準備中の被害
倉庫、農機具が被災した会員も

現地リポート
浜通り農民連 佐藤勝彦さん

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農業への影響確認これから
ライフラインはひとまず復旧

 3月16日に起きた福島県沖を震源とする地震は、相馬市、南相馬市、新地町で大きな被害をもたらしました。

 浜通り農民連では、全会員の被害状況はまだ把握できていませんが、人的被害はないものの瓦の落下、部屋の荷物の落下のほか、倉や倉庫の倒壊、農機の転倒などが報告されています。これから始まる田植えに向けて、育苗準備の大切な時期での地震の被災は、自宅・作業場の片付けや機械の故障で、少なからず影響があると予想されます。

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倉庫では米袋が倒壊

 片付けより先に原発情報を確認

 地震そのものは、揺れている時間は短かったのですが、11年前の東日本大震災を思い出す揺れの大きさでした。物が散乱している中で、真っ先に福島第一原発の情報を確認してからの片付け作業になりました。

 浜通り農民連の直売所「野馬土」の商品はビンが2、3本割れた程度の最小限の被害ですみましたが、事務所ではほとんどの書類が散乱している状況でした。本棚は転倒防止をしているため転倒はありませんでした。

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事務所内は書類が散乱

 道路は隆起や亀裂が多数あり、慎重な運転が必要です。停電、断水の影響で、ガソリンスタンドやスーパー、コンビニが臨時休業し、物がない状況になりましたが、相馬市、新地町以外の地域で被害が少なく、大きな混乱にはなりませんでした。

 停電は早くに復旧しましたが、水道の復旧には4、5日かかり、復旧してもトイレなどの生活用水のみの使用となり、飲料としては使用できない状況でした。現在では一部地域を除いて水道も通水し、23日の午後11時には飲料水として利用できるようになり、日常生活に一歩近づきました。

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福島県農民連から18日に届いた非常給水袋を運ぶ浜通り農民連の佐藤さん

 生活は多少復旧 田植え準備進む

 一昨年の台風被害、去年の地震、そして今回の地震と、浜通り北部の相双地区は自然災害に立て続けに見舞われています。家によっては東日本大震災の時よりも被害が大きい会員もいますが、水稲をはじめ春の農作業の準備に向けて動き始めています。

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揺れで大きな出荷設備もズレ動いた

 ライフラインが復旧し、とりあえずの生活には不自由がなくなりましたが、これからも被害状況の確認が続きます。会員からの要望によって、全国の皆さんにも支援や協力をお願いするかもしれません。その時はご協力をお願いいたします。


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愛知県津島市 桜井久美子

(新聞「農民」2022.4.4付)
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2022年4月

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