食料危機はもう現実
いま必要なのは増産への支援!
農民連 ふるさとネット
政策転換を求めて農水省に緊急要請
農民連と農民連ふるさとネットワークは3月24日、農水省に対し、「食料危機のもとで、食料自給率向上、農家経営支援強化を求める緊急要請」をオンラインの併用で行いました。
冒頭、農民連の長谷川敏郎会長は、「ウクライナ危機、コロナ禍などで小麦、トウモロコシ、大豆をはじめ、燃油や飼料・肥料の値上げが相次いでいるだけでなく、これらのものが手に入らない事態が生まれている。私たちは食料危機がすでに始まったという認識だ。農水省も食料危機に対応するために食料自給率を上げる政策に転換せよ」とあいさつしました。
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要請書を手渡す長谷川会長(左) |
注文しても届かない
生産資材不足は深刻
参加者は、燃油価格、家畜飼料、肥料原料、農業資材の高騰に対する支援策を拡充することを要請。「農薬、ビニールは1〜2%値上がりしているが、今特段の対策はない」などという農水省に対し、長野からは「ビニールは4割、化成肥料が2〜3割高騰している。原料が手に入らないために液体肥料の生産をやめた業者もいる」という実態が告発されました。
北海道の代表は、「肥料、農薬、機械、ハウスの資材が高騰しているほか、入手できるかどうか不確実だ。農業機械は半年〜1年待ちだ」と実態を突き付けました。
「貴重な実態を教えていただいた」と他人事のような答弁を繰り返す農水省に対し「無責任だ」という批判の声があがりました。
ウクライナ危機のなか
水田活用交付金の見直し直ちに撤回を
水田活用交付金の見直し問題で、農水省は、現場から批判の声があがっていることを無視し、あくまで見直しを進める姿勢に終始。これに対し、参加者は、秋田県では知事が「見直しをつぶす」と表明し、青森でも牧草の補助金打ち切りに町ぐるみで反対するなど各地で怒りの声が広がっていることを指摘。
さらに、コロナ禍やウクライナ危機で輸入に頼る日本の食料生産と供給体制の構造的ぜい弱さが露呈していることを指摘し、「こんなときに自給率低下に追い打ちをかける水田活用交付金の見直しは中止せよ。同時に、自給率が低い麦・大豆・飼料などに欧米並みの不足払い制度、直接支払いの実施、備蓄の拡充を行え」と要求しました。
参加者は、「みどりの食料システム戦略」の中に、規模拡大・生産性の向上を前提にすることなく、小規模家族農林漁業への支援を位置づけることも要求しました。
交渉には、日本共産党の田村貴昭衆院議員も同席しました。
(新聞「農民」2022.4.4付)
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