テンサイの苗作りスタート!
国産砂糖の増産で北海道の輪作守れ
防カビ対策に木酢液を活用
まだまだ雪が残る北海道オホーツク地方ですが、麦畑への融雪剤の散布や、砂糖原料のテンサイ(ビート)、玉ネギの播(は)種など春の農作業が始まりました。
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ハウスの中では春の農作業が始まりました |
わが家では3月11日にテンサイの種まきが始まり、数日で小さな芽が出そろいました。芽が出たところで、冬の間にためてきた木酢液を3000倍にして、防カビもかねて水分管理を始めました。植物本来の力を引き出し、コストダウンにもなって、自然の香りがいい感じです。
北海道の畑作は、このテンサイをはじめ小麦や大豆、ジャガイモなど違う作物を順番で作る「輪作体系」で、生産力を保っています。
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小さな芽がきれいに出そろいました |
しかし砂糖の消費が減り続けるなかで、輸入砂糖に課されている調整金も減り、この調整金と国費を原資にした国産の砂糖原料生産者への交付金も減らされようとしています。つまり国は交付金の枠を減らして、テンサイの作付けを制限しようというのです。
砂糖の自給率は40%で、国産の砂糖原料の8割強を北海道のテンサイが占め、沖縄と鹿児島のサトウキビが2割弱となっています。
来年3月には、本別町にある製糖工場の閉鎖も発表されており、北海道の畑作はいま、輪作体系を守っていくうえで深刻な事態に直面しています。国産の砂糖を守るためには、作付けを制限するのではなく、輸入を減らして国の支援を増やしていくことこそが必要です。
(北海道・小清水農民組合 原田美智雄)
(新聞「農民」2022.3.28付)
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