「農民」記事データベース20220328-1498-08

山と海の環境と生態系を守ろう

遺伝子組み換えもゲノム編集もいらない

第16回GMOフリーゾーン
全国交流集会・広島


食の安全守る
遺伝子操作技術拒否の運動各地で

 「第16回GMOフリーゾーン全国交流集会inひろしま」が3月4日、オンラインで開かれました。集会のテーマは、「食の安全と豊かな海と山を守りたい!〜from平和の街ひろしま〜作りんさんな!食べんさんな!遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品」です。主催は同集会実行委員会。

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遺伝子組み換え・ゲノム編集を拒否する運動を交流しました

 新鮮な水産流通
 有機農業の実践

 実行委員長の山本英治郎さん(広島水産株式会社取締役社長)が開会あいさつ。「山と海が近い距離にある広島。山と海の環境を守ることは、それぞれの環境を守ることにつながり、遺伝子組み換えやゲノム編集技術に頼らなくても、自然の恵み(食べもの)を得ることができることにつながる」と述べました。

 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンの天笠啓祐代表が「新たな段階を迎えた遺伝子操作食品」と題して基調講演。ゲノム編集トマトが市販化され、障害者施設や小学校に無償配布されようとしていることを批判しました。

 さらに、マダイやトラフグなど魚のゲノム編集も進み、豚などの家畜にも応用が広がっている実態を告発し、多様な遺伝子を壊し、生物多様性にも悪影響を与える同技術の問題点を指摘しました。

 パネルディスカッション「広島から発信する食の安全と自然を守る取り組み」では、3氏がパネリストを務めました。広島水産の山本さんは、「安全・安心な魚を消費者へ」のテーマで発言し、新鮮な水産物をローコストで安全に消費者に届けることを日々めざしている取り組みを紹介しました。

 広島県有機農業研究会の延安勇さんは、「広島から発信する食の安全と自然を守る取り組み」について報告。化学農薬の使用は4成分以内で、ネオニコチノイド系殺虫剤不使用の農法を実践し、減農薬の米づくりと田んぼの生きものの保全、農家所得の確保をめざす取り組みを報告しました。

 グリーンコープ生活協同組合ひろしま理事長の熊野千恵美さんは、遺伝子組み換えやゲノム編集食品・作物についての情報を集め、発信し、学習やイベントなどで「安全な食べものを選ぼう」と呼びかけていることを紹介しました。

 拒否宣言の面積
 昨年より増える

 第2部では、GMOフリーゾーンの取り組みを交流。キャンペーンの原英二さんは、全国の登録状況について、フリーゾーンを宣言した農地面積が昨年より1320ヘクタール増えて10万6036ヘクタールに到達し、牧場、森林も、それぞれ294ヘクタール、4448ヘクタールに増えたことを報告。サポーター宣言も個人が3024人増えて、2万3698人に、事業者も56社増えて155社になりました。

 GMOフリーゾーン運動に取り組む生活クラブ生協、コープ自然派事業連合、あいコープみやぎ、グリーンコープ共同体が各地の実践を紹介しました。

 フリーゾーン運動に取り組む台湾、韓国から報告と連帯のあいさつがあり、ベルギーからはメッセージが寄せられました。

 最後に、「GMOフリーゾーンの輪を広げることで、地域の農と食文化を守り、食の安全と生態系を守ります」とする大会宣言を採択。来年開催予定の東京へのバトン受け渡しが行われ、閉会しました。

(新聞「農民」2022.3.28付)
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2022年3月

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