「農民」記事データベース20220328-1498-02

水活交付金見直し

青森 七戸町
町をあげて反対

農民連 笹渡・沖津両副会長が訪問
小又町長、瀬川議長と懇談


町会議員、農家中心に水田対策協議会設立
全会一致で国に意見書

 今後5年間、米を作付けしない農地を交付金の対象外とし、多年生牧草への交付金は10アールあたり3・5万円から1万円に減額するなどの「水田活用の直接支払い交付金」の見直し問題は、農村現場の各地で混乱をもたらし、行政や議会、農協などから怒りの声があがっています。

 青森県七戸町も町をあげて交付金見直しに反対の声をあげています。町では昨年12月、見直しによって町内の農業が大打撃を受けることになると、いち早く町議会議員や農家が中心になって「七戸町水田危機対策協議会」(仮称)を設立。28日には、同協議会が主催して意見交換会が開かれ、参加した農家や農協関係者から厳しい批判の声が相次ぎました。

 年が明けて、南部農民組合(仁和竹男会長)も各市町村議会に「見直しを中止し、農家経営支援の強化を求める陳情書」を提出。七戸町議会では議員発議で提出され、全会一致で採択し、国に意見書をあげました。

 農民連の笹渡義夫、沖津由子両副会長は3月10日、七戸町を訪問し、運動の先頭に立っている瀬川左一町議会議長と懇談。仁和会長と佐々木寿夫町議会議員(日本共産党)も同席しました。

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小又町長(中央)と懇談する(右から)佐々木、笹渡、(一人おいて)仁和、沖津の各氏

 550ヘクタールの牧草地の9割は転作田

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瀬川議長
 七戸町の牧草地550ヘクタールのうち転作地は508ヘクタール。瀬川議長は460ヘクタールを耕作する大規模経営で転作牧草地は100ヘクタールに及びます。交付金見直しについて「誰がこんなことを決めたのか。農村の現状も知らずに進められている」と国の農政を批判します。

 「農家は、借地代金を標準で1万円支払っている。肥料代で6000〜8000円、牧草作業用機械などは高額。交付金が3・5万円から1万円に減額されれば牧草転作は成り立たなくなる」と危機感を募らせます。さらに「町の水田面積は3600ヘクタールで水田転作面積は1300ヘクタール。転作田が耕作放棄地になれば、町の水田の3分の1は放棄地になり、まさに町の農業の危機だ」と怒りを表明しました。

 その後、小又勉町長と懇談。交付金の見直しに対し、町長は「効率一辺倒では地域全体が壊れてしまう」と危機感を表明。「地域が循環するためにも、農業にがんばってもらわないといけない。生産者への応援と同時に、消費者にも理解してもらうことが必要。学校給食の無償化はそのための食育の一環でもあります」と強調しました。

力合わせ地域農業守ろう

 この危機に削減はとんでもない

 笹渡、沖津両副会長は、「ウクライナ危機で小麦などの穀物相場が高騰し、肥料や粗飼料の入手が困難になっている最中に交付金削減とはとんでもない」と述べ、いまは交付金見直しではなく、生産を支援することが必要だという点で一致。両氏は「地域から声を上げていくことが大切です。食料自給率の向上と地域農業の振興のために力を合わせましょう」と激励しました。

(新聞「農民」2022.3.28付)
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2022年3月

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