「農民」記事データベース20220321-1497-11

旬の味


 先日、農業資材業者が化学肥料について打ち合わせに来た際、「今年は肥料の値段が一気に高くなる」と告げられた。これまで日本へ化学肥料の大部分を輸出していた中国が、化学肥料の高騰のなか、自国を優先するということで輸出を規制したためという▼昨年からアメリカからの輸入トウモロコシが高騰したことで濃厚飼料の値段も高騰している中での、今年の化学肥料の高騰である。わが家は放牧を中心にした酪農家ではあるが、草地に使用する化学肥料はどうしても必要になり、収入への影響は避けられそうにない▼私は飼料も肥料も輸入に頼り切る日本の農業はついに正念場を迎えたのではないかと思う。地球温暖化による気候変動、ロシアによるウクライナ侵略など世界情勢が一層厳しくなるなか、輸出より自国での利用を優先するのは当たり前の理屈だ▼日本も輸入された資材を大量投入する農業から、国内で循環した仕組みの中で生産された資材を使う農業への抜本的な転換が必要ではないだろうか。

(K)

(新聞「農民」2022.3.21付)
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2022年3月

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