食の安全を考える講演会
残留農薬の問題点を学ぶ
農民連食品分析センター・八田所長講演
富山食健連
富山食健連(国民の食糧と健康を守る運動富山県連絡会)は2月5日、富山県教育文化会館で「分析結果から食品の安全性を考える」と題して八田純人さん(農民連食品分析センター所長)の講演を聞きました。
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食の安全について学びました |
始めに分析センター設立の歴史の紹介があり、センターが募金で成り立っており、世界的にまれな施設であること、募金による設立のためオープンな立場での活動が市民科学を支えていることを話しました。
今回の講演のメインは残留農薬です。そのひとつがグリホサート(除草剤)。日本ではラウンドアップと称され、手ごろに購入できるため、各家庭でも使われています。当時は農業者にとって革命的な農薬であったものの、グリホサートは国際がん研究機関が「人に対して発がん性がある」と人体影響を指摘していることを解説しました。
日本人が食べている輸入小麦・大豆はアメリカ・カナダからのもので、ほぼグリホサートが検出され、私たちの食卓や学校給食で食の安全が脅かされていることを述べました。
アメリカでは2018年、校庭の整備作業中にラウンドアップを使用していた男性が悪性リンパ腫を発症し、メーカー(モンサント社)が安全性の表示を怠ったとして裁判所が320億円の賠償命令を下したことを紹介し、同様の裁判は1万件を超えていると述べました。
EU(欧州連合)では使用禁止の流れである一方、日本では17年に規制緩和が行われた結果、食品衛生法の残留基準値が高い数字に設定され、そのため検出されても問題はなく安全と評価されることが語られました。
講演を聞いて、国の姿勢を変えさせることと生産者と消費者が高い関心を持つことの大事さを学びました。
(富山食健連 宮浮ワゆみ)
(新聞「農民」2022.3.7付)
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