「農民」記事データベース20220221-1493-08

農薬使用の実態は
北海道農民連が調査活動

学校・保育所など公共施設
広範囲で除草剤を散布


 「北海道食といのちの会」の役員会で、農水省と環境省から都道府県に、学校、保育所など公共施設の農薬使用について通知が出ていることが報告されました。また以前に農民連会員から「保育所の除草散布を保護者会で止めることができた」との発言もありました。

 私が小学生の頃、自宅からくわを持ち寄りグラウンドの草取りをした記憶があり、「最近はどうなっているのか」と思い、農薬使用についての調査に取り組みました。

 調査のなかで教員経験者から「何度か除草剤をまいているところを見た」、学校用務員経験者から「気をつけながら除草剤を使っていたが、教育委員会から何も指導はなかった」などの発言がありました。

 学校に責任転嫁 現場任せに批判

 また、日本共産党の市町村議会議員の方にお願いして小中学校、公園など公共施設の農薬、特に除草剤の使用状況を調べていただき、道農民連も独自に調査を行ったところ、市町村の対応が千差万別で、広範囲で除草剤が使われていることがわかりました。

 調査では、「学校、保育所などでは全く使っていません」「議会質問を契機に数年前から使用を中止」「公共施設をはじめ、道路敷地、河川敷地でも使っていません」と、使用を禁止・中止している市町村がありました。

 一方で、「学校で使っているかどうかわかりません」「農薬を使用するときのルールや規則はありません」とする回答や、大都市のある教育委員会は「国の通知は学校長に徹底し、農薬使用は学校長の判断」と学校に責任を押しつける、あ然とする回答があるなど、少なくない市町村は現場任せになっていることが明らかになりました。

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使用済みで放置された200リットルの除草剤容器

 コバエ、蚊、ハエ、ペットのダニなどの殺虫剤をはじめ、私たちの日常生活はごく普通に農薬に囲まれ、ホームセンターなどで入手できます。

 いま道農民連は、生態系を重視した農業、アグロエコロジーへの転換をめざしてネオニコチノイド、グリホサートの尿検査運動に取り組んでいます。生産者も消費者も「自分の体が農薬に汚染されている」――なんと恐ろしいことではないでしょうか。

(北海道農民連書記長 富沢修一)

(新聞「農民」2022.2.21付)
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2022年2月

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