農民連
アグロエコロジー推進委員会
「参加型認証」公開学習会を開催
各地各界から多彩な参加
アグロエコロジー推進で連携
農民連アグロエコロジー推進委員会は2月26日、参加型認証制度(PGS)の公開学習会を開催しました。有機認証として世界で活用される同制度を学び、農民連のアグロエコロジー(生態系の力を活用した持続可能な農業と循環型の食料制度)の取り組みを飛躍させることが目的。全国約70カ所から農民連や新日本婦人の会会員に加え、有機農業やアグロエコロジー、「参加型認証」の普及の第一線で活躍する多彩な人々が参加し、活動を交流する好機となりました。
日本有機農業研究会の久保田裕子理事(家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン常務理事)が講師を務めました。
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パネル上段の真ん中が長谷川会長、中段左が久保田さん |
久保田さんは、JAS有機などの第三者認証制度が、農家側に品質証明を義務づけ、認証機関に払う費用や書類作成で過大な負担になっている実態を紹介。その上で「参加型認証」は、生産者と消費者が訪問や学習、意見交換を通じて対等の立場で品質管理・保証にあたり「信頼関係を土台に社会的ネットワークを形成し、地域の力を強める」と強調しました。
「参加型認証」は国際有機農業運動連盟(IFOAM)が推進・管理し、中南米、欧州、アフリカ、東南・南アジアなどで拡大。日本では、岩手県の「オーガニック雫石」がIFOAMの公認を受けています。欧州や中南米では、アグロエコロジーや地域支援型農業(CSA)と一体的に取り組まれています。
久保田さんは、安全な食べ物の持続可能な生産によって消費者に利益をもたらす一方で、費用や事務負担が軽減されるため、農家の福祉の向上にもつながっていると指摘しました。
農民連の長谷川敏郎会長(アグロエコロジー推進委員会責任者)は、「参加型認証」を学習し、農民連のアグロエコロジーの取り組みを発展させようと訴えるとともに、学習会に参加した様々な人たちとの連携に期待を表明しました。
公開学習会には富山県農民連がまわりに呼びかけ9人で視聴したほか、新婦人宇都宮支部も参加。「オーガニック雫石」の小宮菱一副代表、「持続可能な農業を創る会」の徳江倫明さんも出席し、発言しました。
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参加型認証制度(PGS)
生産者と消費者が圃(ほ)場の訪問、見学、話し合いを通じて対等の立場で生産の方法や生産物の品質を管理、保証する仕組み。
(新聞「農民」2022.2.21付)
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