「農民」記事データベース20220214-1492-08

分析センターだより

輸入ハチミツからグリホサート
農民連食品 分析センターの検査で判明

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= 国産からも検出あり =
グリホサート 日本での使用も課題に

 最近、農民連食品分析センターにはハチミツの検査サンプルが多く届いています。スーパーのハチミツ売り場で、棚に並べて販売されていたハチミツが一部撤去されていたのを、ご覧になった方もいることと思います。背景には、分析センターが『週刊新潮』からの依頼で検査したデータを元にした記事が掲載されて、騒ぎになったことがあります。

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ハチミツが回収されたスーパーの売り場

 業界最大手の会社が輸入・販売したハチミツから、除草剤「グリホサート」が食品衛生法の一律基準を超えて検出されました。7件中6件からグリホサートが検出され、4件は一律基準値(0・01PPM)を超えていました。検出値は痕跡〜0・05PPMでした。

 しかも、社内で違反が認識された後も、流通している商品を回収せず、週刊誌に暴露されて騒ぎになったことで、やっと自主回収したというあきれた対応でした。問題のハチミツは、アルゼンチンやカナダから輸入したものでした。

 ハチミツから農薬が検出されるかどうかは、蜜源になる花及びその土壌の近辺に農薬がどれだけまかれているかに起因すると考えられます。アルゼンチンやカナダでは、グリホサートをまいても枯れにくい遺伝子を持つ遺伝子組み換え作物が広く栽培され、ほ場やその周辺にグリホサートが散布されています。その作物や周辺から採蜜することで、グリホサートが残留したのではないでしょうか。

 日本国内では遺伝子組み換え作物の商業栽培はしていないので、国産ハチミツからはグリホサートは検出しないと想定されたのですが、予想に反して検査した国産ハチミツからもかなりの頻度で検出されました。

 原因ははっきりわかりませんが、除草剤をかけられてから枯れるまでの間の花から採蜜した、あるいは雑草についた除草剤を含む水滴や周囲のたまり水をハチが飲み水にした、などが考えられます。

ホームセンターでも購入可能
道路・公園、家庭でも幅広く使用

 商品名はラウンドアップが有名

 グリホサートは商品名としてラウンドアップが有名ですが、ジェネリック商品も多数販売されており、身近なホームセンターやドラッグストアで誰でも気軽に購入できます。また農地だけでなく、家庭でも、道路・公園・学校など公共施設でも、幅広く使用されています。ハチは半径2キロ程度から蜜を集めると言われていますので、グリホサートがあまりにも身近にあり過ぎることが根本の原因なのかもしれません。グリホサートの使用のあり方が問われています。
(農民連食品分析センター 泉潤)


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(新聞「農民」2022.2.14付)
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