農家のための
税金コーナー
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インボイスが始まったら、どうなる?
具体的なイメージで中止の運動を
「インボイス制度(適格請求書等保存方式)は中小事業者にとって大変なことになりそうだ」。こういう認識がぼんやりと広がりつつあります。でも、実際にスタートしたら具体的にどんなことになるのか、制度が複雑なだけに、理解しにくいのが本当のところです。
奈良県農民連では、春の大運動で農家一人一人にインボイス中止の運動を呼びかけながら、下のチャート図を使って話し合いを広げています。
近所の小さな農家から農産物を仕入れて加工製造している農家は、「仕入農家からインボイスの請求書はもらえない。負担増になる分は、自分が負担するか、売り先に値上げを求めるしかない」と悔しさいっぱいです。一般の販売先に農産物を出荷している免税事業者の農家は、「取引を継続させるためには、課税事業者にならないとだめだろうか」と不安を募らせます。行政主催の税金研修会に参加した新規就農者は「講演に来た税務署員が『課税事業者の登録をしないと大変になる』と説明し、とても怖い気がした」と感想を述べています。
インボイスの影響は、農家だけでなく、あらゆる業種に波及し、経済そのものがとんでもないことになることは間違いありません。それぞれの経営実態に即して具体的にどうなっていくのかイメージしながら、引き続き消費税減税とインボイス中止の運動をすすめていくことが大事です。
(奈良県農民連 竹島茂直)
(新聞「農民」2022.2.14付)
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