「農民」記事データベース20220131-1490-11

旬の味


 今年こそ穏やかな一年にと思う間もなく、コロナ禍の再燃…特に米軍基地絡みの拡大、大雪被害、米を取り巻く相変わらずの政治、そして原発事故処理のこと▼先日お会いした方が、「原発事故被害のことは忘れてはいけない。声を出し続けなければ!」と話されていた。自分自身を顧みた。3・11直後は、これだけの出来事が起きたのだから日本は変わらなければ!と、原発反対行動に参加し、現地の方の声に耳を傾けてきた。しかし10年の時を経ての自分は…▼年末に地方紙に、帰還困難区域・浪江町の「津島松」の記事が掲載されていた。全国から引き合いのある優良木で地区の大事な財産だったが、山に立ち入ることができない。「山の恩恵を受けてきた私たちの歩みが断ち切られたようで胸が痛む」との言葉▼除染した飯舘村の菅野さんは「ベコを飼って堆肥を田んぼに入れ土を育ててきた。そのおれの人生がみんなあの黒い袋の中に入っちまった」と吐露されていた。食・農・暮らしのことと共に忘れてはならぬ…。

(蛙)

(新聞「農民」2022.1.31付)
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2022年1月

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