「農民」記事データベース20220131-1490-01

税金・放棄地対策・朝市…

多様な要求で仲間づくり

奈良県農民連 春の大運動


出荷したい ものづくり学びたい

こんなときだからこそ
もの作ってこそ農民を高く掲げて

 昨年はコロナ禍による米価下落や鳥獣害など農家の暮らしや経営に暗い話題が多かった年でした。奈良県農民連は、年明けから「今年は少しでもみんなが農業を続けられるように」「若い人が希望をもって農業にがんばれるように」との思いで春の仲間づくり運動に取り組んでいます。

 県農民連としては2つ目の直売所が昨年秋に生駒市にオープンしたこともあり、年明けから税金や出荷などで11人の新しい会員を迎えました。

 県下有数の柿や梅の産地で専業の果樹農家が多い五條市では「農協の青色申告会でやってきたが、軽トラやトラック以外の車は農業で使っているにもかかわらず経費に算入してもらえなかった。農民連の申告は経費をいっぱい出せるので入会したい」「これまで税理士さんにお願いしてきたが、知り合いの農民連の人から話を聞いてぜひ農民連に入って申告したい」など税金の要求で加入が続いています。

 また、中山間地が多い吉野町では「何とか集落の農地を放棄地にせず、みんなで力を合わせて農業を続けていきたい」と生協などを今年度退職予定の2人が出荷や法人設立などで相談会に参加。2人とも農民連に加入しました。

 北和センターではコロナ禍もあって2年近く休んでいた事務所前での朝市を昨年末に再開。周辺に配布したチラシを見て30代の青年が「祖父の農業を継いでやっているが栗などの果樹をもっと作りたい」と入会。

 農民連が窓口となっている三宅町の学校給食の出荷者で30代の若手農家は「就農5年目ですが、農民連でものづくりをもっと教えてもらって安全な給食の食材を供給したい」と入会しました。

 奈良市や生駒市でも無農薬の米づくりや有機野菜づくりをしている農家が「農民連のこだわりの直売所に出荷したい」と入会するなど出荷やものづくりでも仲間づくりが広がっています。3月11日の集団申告にむけて、税金でもものづくりでも多くの仲間を迎えて奈良の農業を守っていこうと連日「なんでも勉強会」を開いています。

 農家の最も切実なものづくりの要求についても様々な取り組みを行っています。1月18日には有機農業の連続講座の最終講義が行われ、50人が参加。2月11日からは「有機無農薬米生産学習会」が1年間続きます。

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1月18日に開かれた有機農業連続講座の最終回

 「ものをつくってこそ農民」の旗を高く掲げて奈良での春の運動に取り組んでいます。

(奈良県農民連会長 森本吉秀)

(新聞「農民」2022.1.31付)
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2022年1月

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