自給率向上を国民運動に
全国食健連
秋のグリーンウエーブ行動
農水省交渉と中央行動
地域から深刻な現状が相次ぐ
国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)は12月17日、秋のグリーンウエーブ(食料の波)行動の農水省交渉と中央集結行動を、オンライン併用で開催しました。
米の在庫を国が備蓄米で買い上げ、食料支援に回すことなどを要求したのに対し、農水省は「現行制度では備蓄米の買い上げで需給調整はできない」と従来の枠を出ない回答でした。
参加者からは「地域再生協議会で、県が米作りで10アール当たり3万円以上もの赤字になる試算を出している。こんなにも農家の経営を考えていない政策で、農水省は農業をつぶす気か」「転作支援の削減で集落営農の解散の話も出ており、集落の存続の危機。『生産調整をやめたのに、生産目標だけ押し付けて外国産米をせっせと輸入し続けるとは何事だ』と農協組合長から怒りの声が上がっている」など、現場から深刻な声が多数噴き出しました。
農水省は「低米価で再生産ができなくなっていいとは思っていない」とは言うものの、「米価は市場で決まるもの」「需要に合った生産を」としか回答しませんでした。
新規就農者育成総合対策に対しては、新規就農者から「国の支援に自治体の独自支援が上乗せされることで、新規就農者の定着が回っている現状がある。自治体に半額負担を求めると、独自の支援がなくなってしまいかねない。また自治体によっての格差が大きくなりかねない」と懸念が寄せられました。農水省は「同様の懸念は多数寄せられている。まだ概算要求の段階なので、意見をもとに検討したい」と回答しました。
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若い生産者も、交渉で要望を伝えました |
賛同署名3倍増 大きな前進築く
中央集結行動では全農協労連の砂山太一委員長が主催者あいさつで「農水省に提出した『家族農業を守り、食料自給率の向上をめざす食料・農業政策への転換を求める署名』が、例年の3倍以上の688団体分集まった。これは大きな運動の前進だ」と強調。今後の運動のさらなる強化を呼びかけました。
「食料自給率向上の運動を改憲阻止署名並みの運動に広げる必要があるのではないか」「給食調理員の待遇が悪く、地産地消の給食を進めたくてもできない現状を、国は何もわかっていない」などの発言がありました。
(新聞「農民」2022.1.17付)
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