第3回
なんてったって!伝統食
継いでいきたい日本の食の会
栗原澄子
お正月料理
正月料理は海の幸、山の幸の中から、おめでたい呼び名の語呂合わせや彩りや姿形がよいものなどが使われます。
田作りは豊作を願って。昆布は「喜ぶ」、数の子は多くの子宝に恵まれるように。黒豆はまめに働くことができるように。海老は腰が曲がるまで長寿で…という願いと、脱皮を繰り返して成長するところから成長と発展出世を願う食材として。ゴボウは大地にしっかり根を張るところから縁起が良い…など、この1年を幸せに過ごせるよう、意味を持たせた食材が多く使われています。
今回は、縁起の良い料理で手軽に作ることができ、日常の食としても比較的保存の効くものを選んでみました。
錦卵
黄と白の二色を金銀に見立て、錦卵になったと言われます。錦とは金銀などの華麗な絹織物のことで、財宝を表しています。
材料
卵 10個
A 砂糖 大さじ2と1/2
塩 小1/4
B 砂糖 大さじ7
塩 小1/4
作り方
(1)固ゆで卵を作る。熱いうちに殻をむき、白身と黄身に分ける。
(2)卵白を裏ごし器にかけ、キッチンペーパーに包んでよく水気を取り、調味料Aを混ぜる。
(3)卵黄をつぶして調味料Bを混ぜ、裏ごしする。
(4)流し缶に卵白を入れて平らに押さえ、その上に卵黄の3/4を入れて、ゴムベラで軽く押さえ、さらに残りの卵黄をふりかけるように入れ、力を加えず平らにならす。
(5)(4)を蒸気に上がった蒸し器に入れ、布巾をかけ、ふたをして中火で8分蒸し、取り出して冷まし、缶から出し、適当な大きさに切る。
サーモンの奉書巻き
大根を純白の奉書に見立てたものです。
材料
大根 6センチ
サーモン 150グラム
昆布 少々
ゆずのしぼり汁 大さじ2
酢 大さじ1
砂糖 大さじ1〜2
作り方
(1)大根はかつらむきにして10センチ幅に切り、塩少々をふり、しんなりさせる。
(2)サーモンは大根の長さに合わせて細く斜め切りにし、酒少々かけておく。
(3)昆布は水につけてやわらかくし、ハサミで細長く切る。
(4)大根でサーモンを巻き込み昆布で縛って、ゆずのしぼり汁、酢、砂糖を混ぜたものに2時間つける。
*昆布は厚みのないものを使い、なるべく細く切ると結びやすい。
牛肉の八幡巻き
材料
牛肉の赤身薄切り 200〜250グラム
しょう油 小さじ2
みりん 小さじ2
ごぼう 小1本
酢 少々
しょう油 小さじ1
油 大さじ1
調味料
砂糖 大さじ2
酒 大2
しょう油 大さじ1と1/2〜2
粉山椒・適量
作り方
(1)牛肉を広げ、しょう油、みりんをふりかけて下味をからめる。
(2)ごぼうは皮をこそげ鍋の大きさに切り、太さに応じて2〜4つに切り、米のとぎ汁か水に酢少々を入れた中でやわらかくゆで、水にとってさっと洗い、ぬくもりの残っている間にしょう油を少々からめる。
(3)(2)のごぼうを冷ましてから芯にして(1)の牛肉で巻く。
(4)フライパンに油を熱し、(3)の巻き終わりを下にして入れ、転がしながら、やや焦げ目のつくまで焼き、いったん取り出す。
(5)(4)のフライパンに調味料を入れて煮立て、(3)をもどし、煮汁がなくなるまで煮て最後に鍋を前後にふって煮汁をからませる。
(6)(5)を斜めの一口大に切って器に盛り、粉山椒を上から振る。
(新聞「農民」2022.1.3付)
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