大豆畑トラスト収穫祭
福岡・うきは
みのう農民組合が開催
自然農「ジェジェ農園」始めた
フランス出身 山手ジェゴムさんのお話
福岡県の、みのう農民組合は11月28日、うきは市「道の駅うきは」で2021年大豆畑トラスト収穫祭を開催しました。
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最後にみんなで記念撮影 |
ふるさと大豆を育てようの運動
今年で24年目となる大豆畑トラスト運動。5月に募集を始めて参加者は100人を超えました。大豆畑トラストは「遺伝子組み換え大豆はいらない、ふるさと大豆を育てよう!!」という運動で、大豆栽培は組合員に委託され、育った大豆で作った参加者が希望する大豆製品(大豆・みそ・しょうゆ)を受け取ります。
7月の「種蒔き交流会」でみそを作り、10月の「枝豆収穫祭」で枝豆を味わい、「収穫祭」を迎えます。昨年はコロナ禍の影響で交流会を中止せざるをえない状況でしたが、今年は十分な感染対策を行い、参加者の自由参加という形で開催しました。50人を超える参加があり、大盛況のうちに終えました。
農法や流派にとらわれず
畑と自身にあった方法を
失敗と成功をくり返しながら
今回は、ベルギーにほど近いフランス北部の出身、現在、うきは市の山間部で自然農「ジェジェ農園」を始めた山手ジェゴムさんによるお話し会を行いました。
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講演するジェゴムさん(右) |
うきは市出身の奥様と出会い結婚。来日して4年。フランスにはない山間地で、幼いころから自然が大好きで自然を愛するジェゴムさんが、自然の中に身を置き、自然との調和を求めて始めました。
「不耕起栽培・無農薬・無化学肥料、畑に入れるのは刈り草、山で集めた小枝や落ち葉、木のチップなどで、微生物や虫や植物の根が土を耕してくれます。畑の生態系を守るため、農薬や化学肥料、除草剤は使いません」「自然農への新米夫婦の挑戦で、失敗と成功を繰り返して経験を積み重ね、農法や流派にとらわれず畑と自分自身にあった方法を見つけていきたいです」。日本語と、時々フランス語がはいる奥様の通訳付きで「失敗は…大事。これからもがんばります」と述べ、大拍手を受けました。
ジェラート食べ和気あいあいと
参加者の中には退職して自分で畑を始めた方もいて、それぞれの農法も伺いながら沢山の質問も出てきました。会場いっぱいの会員、レモングラスの紅茶と地元産ドライイチジク・ドライ柿、大豆畑トラストの大豆で作ったきな粉ジェラートをいただきながら、和気あいあいとジェゴムさんの話に耳を傾けました。
レモングラスの香りとともに爽やかな空気が会場を包みました。食と農を通してのお話し会となりましたが、日本は「新しい資本主義」を目指すという流れの中、既成の枠にとらわれない若い就農者の話を聞き、参加者は「山手夫妻のお話をとても楽しく聞かせていただいた」「来期も楽しみ」とそれぞれの大豆製品を持ち帰りました。
毎年、天候不順が続く中で、今年も無事大豆の収穫ができたことに感謝し、栽培してくれるベテランの組合員にも感謝する日でした。
(福岡県農民連会長佐々木督文)
(新聞「農民」2021.12.20付)
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