ゲノム編集トマト苗受け取り拒否を
北海道食といのちの会
全道179市町村の首長、教育長に要請書
「北海道食といのちの会」は12月2日、サナテックシード社が障がい児施設、小学校への無償配布を計画しているゲノム編集トマト苗を受けとらないことを求める要望書を、全道179の市町村長と教育長に送付したことを記者会見で発表しました。
子どもたちが無償配布のトマト苗を夢中に育てて食べることで、子どもが抵抗感なくゲノム編集商品を受け入れられるようにするやり方に、「北海道食といのちの会」の久田徳二会長は「遺伝子操作作物の問題点を知らない子どもたちに、安全性も確かめられていないまま栽培させ、食べさせることは非人道的行為」ときびしく指摘しました。
3カ所で講演会
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講演する河田さん
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世界で突出して日本のみにゲノム編集食品が広がろうとしているなか、同会は、6日から8日にかけて旭川、札幌、余市で分子生物学者の河田昌東(かわた・まさはる)さんを講師に連続緊急講演会を行いました。
河田さんは「ゲノム編集技術は安定した、確立された技術ではない」「各国でゲノム編集技術は研究されているが、ゲノム編集食品が一般流通しようとするのは日本のみ」「次の世代への影響が明らかになっていない」「遺伝操作は研究者の倫理観が問われ、原爆開発の二の舞になってはいけない」などと専門家の知見を交えながらゲノム編集食品開発への警鐘を鳴らしました。
さらに「安全審査を強め、表示を義務づけて消費者の選択の権利を守る」「食の安全安心は学校給食を有機にすることから」などと提起しました。
また「ゲノム編集トマト苗を受けとらないでください」との要望書に、早くも4つの自治体が「受けとらない」と、6つの自治体が「検討など」と回答があったことが報告されました。
(北海道農民連書記長 富沢修一)
(新聞「農民」2021.12.20付)
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