農民連近畿ブロック
近畿農政局と交渉
米価暴落の対策とコロナ禍支援強化を
白色申告でも収入保険加入させよ
次世代育成給付金は
自治体の負担なくせ
農民連近畿ブロックは10月20日、米価暴落対策やコロナ禍支援をテーマに近畿農政局に対して要望を申し入れ、交渉しました。2府3県の農民連が参加しました。農政局からは企画調整担当など9人が参加しました。
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近畿農政局に要請する大阪府連の田中豊会長(左から2人目) |
コロナ禍の長期化で農畜産物の需要が減少し、農畜水産物価格が低迷していますが、特に米価の暴落が深刻となっています。生産者価格が1俵(60キロ)9000円台という暴落も全国各地で起こり、大阪でも米価は全国に比べて高いものの、米屋などの農協事前契約米以外は低水準です。
今、各地の農村では「米価の暴落が続いたらもうやめる」「米づくりをあきらめる人が集落でますます増えるのでは」など農家の営農意欲を減退させる米価下落に危機感が広がっています。
米価暴落対策として農政局は「備蓄米以外の米を買いあげることは市場原理の米価に介入するのでできない」「需要の少ない米から他の需要がある作物や飼料米などに転換を」などの姿勢に終始しました。
農水省は、米価暴落がコロナ禍で起こっていることに危機感がありません。来年も膨大な過剰米が残って今年以上の暴落が予想される中で、農民連からは「農家は特別に高い価格を求めているわけではない」「来年も生産できる価格が当然。米は生産費が1万5千円を超えている。これ以上でないと再生産が保証されない」と強く申し入れました。
さらに参加者は、コロナ禍対策では、収入保険が青色申告だけを対象にしていることに関して白色申告も対象にすることを要求しました。
担い手減少対策 支援必要と共有
農業の担い手対策については、農民連から「次世代育成の給付金について自治体負担が検討されているが見直しをして国の責任で」と要請しました。
農政局は「要望は本省に上げるが担い手対策はかなり混迷している。いろいろと意見を聞かせてほしい」と回答しました。
急激な担い手の減少で深刻な事態については、全ての担い手への支援と消費者を巻き込んだ農業・農村・農家の支援策が必要との認識を両者で共有しました。
(新聞「農民」2021.11.8付)
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