「農民」記事データベース20211018-1477-06

農のこころ

丸山美沙夫


 稲滓火(いなしび)の郷の息吐く夕間暮れ

                 丸山美沙夫

 稲の脱穀が済むと、田圃のあちこちに稲屑を燃やす煙が立つ。これが「稲滓火」(いなしび)だ。今はコンバインで、脱穀と同時に藁(わら)は刻まれ田一面に散らす。冬場の藁細工やどこの家でも飼育した家畜も居ない。後継ぎの青年も見当たらない様変わりだ。刈田の藁に火を放つと、地面を這う炎と煙は郷の息のように立つ。

(新聞「農民」2021.10.18付)
ライン

2021年10月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2021, 農民運動全国連合会