「農民」記事データベース20210920-1473-04

FFPJ第6回オンライン講座

古座川流域での地域再生の取り組み
宇田組合長が講演 和歌山・紀ノ川農協

関連/農民連女性部ジェンダー学習会


川の流れを通して
森・里・海がつながり地域で共生を

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報告する宇田さん

 家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)は9月3日、第6回オンライン連続講座を開き、FFPJ常務理事で和歌山・紀ノ川農協組合長の宇田篤弘さんが「和歌山県・古座川流域での地域プラットフォームを拠点にした流域再生の取り組み」のテーマで講演しました。

 持続可能めざしFFPWを結成

 農林水産業の担い手の減少と高齢化が加速し、農業生産力だけでなく集落資源の保全機能も後退していることに危機感をもった宇田さん。河川が多い和歌山では、流域でのコミュニティーを再生していくことが大事だと考えました。

 2006年のイベントで、紀の川や吉野川の水源地の村、奈良県川上村の「川上村に暮らす住民はもちろん、下流域の人々とも手を携えて、かけがえのない水と森を育てていきたい」という宣言に出会いました。

 それ以降、紀ノ川農協は川上村や漁協との交流を重ね、2県をまたぐ1本の川による森・里・海のつながりを“見える化”し、流域ぐるみの地産地消を進めるために136キロメートルの川を一つの商店街に見立てる「紀の川じるし」の取り組みを始めました。

 さらに宇田さんは、「地域の発展のなかでしか紀ノ川農協の発展はない」という理念のもと、地域づくりと担い手づくりに取り組み、2018年8月に県農民連と共催でシンポジウム「みんなで描こう地域農業の未来予想図」を開催。その後、19年10月に「家族農林漁業プラットフォーム和歌山」(FFPW)の設立に至った経緯を紹介しました。

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森、里、海を1本の川でつなぐ取り組み

 住民に聞き取り地域づくり実践

 一方、高齢人口比率52・6%、75歳以上が32%の古座川町では、過疎化を防ぎ、町の振興を促そうと2004年に農事組合法人「古座川ゆず平井の里」が設立されました。持続可能な地域を継承することを目的に「七川ふるさとづくり協議会」が16年に設立され、住民から聞き取り調査、分析、報告、合意形成による地域づくりの実践を行い、桜の名所としての七川桜の植樹、買い物支援バスの運行などに着手しました。こうした取り組みを積み重ね、20年8月に「古座川流域プラットフォーム」が発足しました。

 最後に、宇田さんは、農業、漁業、林業、観光業などの事業者が連携し、「みんなで共生する地域をめざしていきたい」と結びました。

 FFPJ常務理事の関根佳恵さん(愛知学院大学准教授)がまとめと閉会あいさつ。「コロナ禍でも、地域でのイベントや学習会を企画し、オンラインでの交流を進めよう」と呼びかけました。


農民連女性部ジェンダー学習会
「ジェンダー平等を考える
―国連『家族農業の10年』の
世界行動計画から―」
▼講師 関根佳恵さん
    (愛知学院大学准教授・家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン常務理事)
▼日時 9月30日(木)午後1時30分〜3時30分
▼場所 ZOOMによるオンライン開催
▼申し込み 農民連女性部
    Eメール a-fuji@nouminren.ne.jp
    電話  03(5966)2224
    Fax 03(5966)2226
▼申込み締め切り 9月25日
▼参加費 500円

(新聞「農民」2021.9.20付)
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2021年9月

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