「農民」記事データベース20210913-1472-09

分析センターだより

ネオニコ系農薬
人体への摂取はどれぐらい?
〜尿の分析検査を準備中です〜


試験法の確立
工夫重ね進める

 今、分析センターでは、市民団体であるDPJ(デトックスプロジェクトジャパン)と共同で進めている、尿中に含まれるネオニコチノイド系農薬(以下ネオニコ)を検査するための準備が、大詰めを迎えています。

 ネオニコは殺虫剤で、「虫には効くが人体に影響はない」とされてきました。しかし、動物実験で生殖機能や学習能力への影響が報告され、ミツバチの大量死への関連も指摘されるなど、生態系や人体への影響が懸念されはじめています。

 農民連では、ネオニコフリー(ネオニコを使用しない)の農産物の取り組みを始めているところもあります。今回は、人体にどれくらいネオニコが取り込まれているのかを調査するために、人の尿中のネオニコの検出をめざしています。

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尿の検査キット

 試験法の選定・確立を試行錯誤しながら進め、各農薬成分の残留濃度確定のための物質(サロゲート)を買いそろえていきますが、値段は高く、しかもネオニコの類似物質のなかには、サロゲートが開発・製造されていないものもあります。そういったものでも問題なく分析ができるようにと、工夫を重ねてきました。

 実際に尿の分析が可能になり、まずは分析センタースタッフと、その家族の尿の検査をしてみました。すると、全員の尿から様々な種類のネオニコが検出されました。「これほど含まれるものなのだな」とスタッフ一同、驚きを覚えています。所長とその家族の尿からは、ほぼ同じ種類の農薬が検出されていました。

 分析センターでは、食事と検出される農薬に関係性があるのではないのかと考えていますが、よりデータを集めていくことでより確かなことが言えるのではないかと思います。

 9月中には分析依頼の受け付けを開始する目標で準備を進めています。検査へのご協力をお願いします。

(農民連食品分析センター 泉潤)

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(新聞「農民」2021.9.13付)
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2021年9月

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