1つひとつの行動が
世界を動かす力となる
原水爆禁止世界大会2021
核兵器のない平和で公正な社会を
核兵器禁止条約が発効して初めてとなる、原水爆禁止世界大会が8月上旬に開催されました。
9日に行われた長崎デー集会では、主催者を代表して安齋育郎さん(立命館大学名誉教授)が報告を行いました。
「原爆のきのこ雲を戦争終結の象徴と見るのではなく、その下で行われた非人道的な被爆の実相に目を向け、核兵器廃絶のエネルギーにしなければなりません」と切り出した安齋さん。世界大会の目的は「核兵器廃絶への展望を示す、核兵器の危険を暴き、核廃絶の必要性を訴えかける、禁止条約に署名・批准する日本政府を作る運動を発展させる」の3点だとし、「核兵器をめぐる状況を学習し、自分に何ができるのか考え、実践する契機にしてほしい」と呼びかけました。
長崎市の田上富久市長は集会へのメッセージで「被爆者は『世界中の誰にも二度と同じ思いをさせてはならない』という思いが大きな流れとなり、人類史上初めて核兵器を違法とする核兵器禁止条約が発効した。生まれたばかりの条約を世界の共通ルールに育て上げるには市民社会が連帯し、これまで以上に粘り強く声を上げていくことが必要。一つひとつのかけがいのない行動が集まって、世界を動かす力となると確信している」とあいさつしました。
また被爆者の証言と訴えや、各地の活動の報告も寄せられ、禁止条約に署名する日本政府に変える運動の決意を固め合いました。
8月7日には青年向け関連企画、「Ring! Link! Zero(リング・リンク・ゼロ)2021〜私たちが未来をつくる! 核兵器のない平和で公正な社会へ〜」を開催。同実行委員会には農民連青年部が参加しています。
青年劇場の有志による被爆体験と原爆詩の朗読や各地の青年の取り組みが交流されました。
北海道の「Peace Wave SAPPORO(ピースウエーブサッポロ)」のみなさんは札幌駅前での宣伝の現場から参加。高校生が「2020年のRing! Link! Zeroで被爆者の田中煕巳さんの話を聞いたことをきっかけに、友だちに思い切って自分の学んだ被爆の実相を話すようになった。コロナパンデミックの中でもできることはある。私たちだから伝えられる人がいる。この思いが届き、日本が核兵器禁止条約に参加することを切に願う」と訴えました。
(新聞「農民」2021.9.6付)
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