ビア・カンペシーナなど
国連食料システムサミットの
ボイコットを訴える対抗行動
オンラインで9000人が参加
グローバル企業が中心になり9月に開催予定の国連食料システムサミットのボイコットを訴える対抗行動が7月25日から4日間、オンラインで開催されました。農漁民、先住民、市民社会組織のメンバー、国連や政府の要人、科学者などがパネリストを務め、世界中から約9000人が参加・視聴しました。
参加者は、サミットは今日の食と農の危機を生み出した企業の支配を強めると批判し、食料主権やアグロエコロジーを通じた危機の「真の打開」を求めました。
国際農民組織ビア・カンペシーナ・ヨーロッパのパウラ・ジョイアさんが宣言を読み上げ、「巨大多国籍企業が、持続可能性の用語を歪曲し、デジタル、バイオ技術を用いたさらなる工業化、農村からの富と労働力の収奪、企業の力の集中を進めるため、国連に介入を強めている」と警告。「民衆、地域社会、領域を抑圧・搾取し続ける誤った解決策をわれわれは拒否する」と表明しました。
国連食料への権利特別報告者のマイケル・ファクリさんがビデオで登場。国連の食料政策の議論でこれまで保障されてきた小規模生産者や市民社会組織の参加が今回は否定されていることについて、「現実にある力の不均衡を無視し、多くの人々を排除している」と指摘。新型コロナの大流行の下で、民衆の政治参加が困難になっている事態を、いっそう悪化させていることに懸念を示しました。
メキシコのビクトル・スアレス農業・農村開発副大臣も、企業の影響力を食と農の政策決定の場から追い出し、社会や公共の利益に置き換えることが大事だと強調しました。
行動参加者は、対案として、食料主権とアグロエコロジーを提唱しました。オーストラリア食料主権連合(AFSA)のタミ・ジョナス議長は、「食料主権に基づき政治経済システムを転換しなければならない」と強調。国際NGOのフォーカス・オン・ザ・グローバルサウスのシャルマリ・グタルさんは、家族農家によるアグロエコロジーを通じて持続可能社会への移行を促すように呼びかけました。
行動はビア・カンペシーナも加わる市民社会組織のネットワークが主催し、イギリスBBC、カタールのアルジャジーラ、イタリア放送協会(RAI)など主要メディアが報道しました。
(新聞「農民」2021.9.6付)
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