「農民」記事データベース20210830-1470-12

旬の味


 年々過酷さを増す気象状況に、農林漁業に生かされることの厳しさに立ちすくむ思いの夏でした▼しかし、過酷な気象状況の中でも立ち向かえる力の源は、その土地に生き、その土地を愛し耕してきた家族農業者によって守られている地域力だと思い知らされます。「水害にあいやすい土地なんだから、離れたら…」と言われても、地域、土地への愛着があればこそ乗り越えることができると思います▼「何気ない日常の風景、…最近までそこいらに転がっていた風景。それがこれほどに美しく人の心を打つ。これはもう、日本列島全体が世界遺産ではありませんか。この世界の財産を次の世紀に送り届けねば。そのためには零細な農林漁業の皆さんが、生き生きとやっていけるようにすることです」▼こう言われた方がいますが、農政をその方向に向けさせ、自分も生き生きと耕していきたいと心新たにした夏でした。一鍬一鍬耕してきた先輩の老爺老婆の背中、畦に咲く小さな草花や生きものたちに力をもらい…。

(蛙)

(新聞「農民」2021.8.30付)
ライン

2021年8月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2021, 農民運動全国連合会