米価下落対策、
食料支援制度の充実を
国民大運動実行委
農水省に予算要求
農民連の笹渡副会長ら参加
「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は8月6日、2022年度予算概算要求の編成にあたって、農水省に要請しました。
国民大運動の渡辺正道事務局長、農民連の笹渡義夫副会長、湯川喜朗・農民連ふるさとネットワーク事務局長らが参加しました。
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要請書を手渡す笹渡副会長(右) |
冒頭、笹渡副会長が、「新型コロナの影響で米の需要が減少して在庫が増え、生産者米価が下落している。このままでは米の概算金が1俵8000円〜9000円になりかねない」と、現場の深刻な状況を訴えました。
農水省は、概算金が昨年より下がるのは認めつつも、「需要に応じた生産を」と述べるだけで、過剰米の買い入れには背を向けました。
笹渡副会長は、「このままでは生産者の稲作からの撤退が懸念される。かつてない危機的状況だ。政府が過剰在庫を備蓄米として買い入れ、米価下落に歯止めを」と強く要求。さらに、過剰在庫を使って、コロナ禍で生活困難になった人たちへの食料支援を求めました。
渡辺事務局長は、「全国で支援が取り組まれているがどこでも行列ができる状況だ。各省庁が連携し、概算要求に反映するよう強く求める」と訴えました。農水省は、「NPOなどへの支援を省庁の枠を超えて進めていきたい」と答えました。
収入保険も農家が活用しやすいように
最後に、収入保険について意見交換。農家が活用しやすいように(1)保険金の支払い基準を収入の5年平均でなく、作物の生産費を基準にすること、(2)保険金の掛け金を引き下げること、(3)加入対象を青色申告者だけでなく、白色申告者も対象にすること――を要求しました。
農水省は「収入保険に加入するためには青色申告への変更が必要」と要請を拒否。白色申告の場合、不正をチェックできないかのような趣旨の答弁を行いました。
これに対して、笹渡副会長は「白色申告も記帳義務の対象であり、白色申告を否定することは許されない」と抗議。「かつてない気候変動のなかで農業を営んでいる。白色から青色に変更するのにも2年が必要で緊急な救済策が求められる。従来の枠にとらわれない対策が必要だ。白色申告も対象にして多数の農家を救済せよ」と重ねて要求しました。
(新聞「農民」2021.8.30付)
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