「農民」記事データベース20210823-1469-09

旬の味


 8月中下旬は熊本地方の水稲にとって大切な出穂期、自然災害が起きないことを願っている。40年前のこと、「今日で田植えを終え、明日からかんきつの摘果、防除をしよう」と、妻と田植えを急いだ▼2割くらい植えたとき、雨が降り始め、勢いを増し、水田の水位は上昇。妻は翌日への延期を提案したが、私はかんきつの作業が気になり、かすかに見える植えた苗の先を目印に田植え機を操作した▼翌朝、畝間が点々と広く残り、1列十分に植える間隔に。妻は「2車線の国道」と表現し、「空いたところは手植えを」と言ったが、かんきつの摘果作業に移った▼畝間が広く残ったことで疎植栽培になり、日光は株元まで届き、風通しよく、紋枯れ、イモチ病、ウンカの被害もなく、農薬使用も激減。これが減農薬栽培、県連の米部会結成、新婦人・病院給食との米産直につながった▼生産者と消費者との連携が米の生産を守る道だと学んだ。米生産は奥深く、やりがいのある仕事だが、今日の生産者米価では……。

(よ)

(新聞「農民」2021.8.23付)
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2021年8月

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