「農民」記事データベース20210823-1469-08

9年目を迎える
「地産地消」「買い物困難地域」支援

大阪府阪南市・箱の浦朝市


 10年前に大阪府阪南市の「箱の浦自治会まちづくり協議会」から「買い物困難地域で毎週土曜日に朝市を開催することにしたが地域の農家も少ないし品ぞろえが難しいので協力してほしい」と要請がありました。

 農民組合阪南支部協議会は、組合員の協力を得ながら「地産地消」「買い物困難地域」支援として協力してきました。今年で9年目を迎えます。 朝市で売れ残った野菜は、近くの高齢者共同住宅(ひまわりの家)や大阪市内の居酒屋などに販売しています。

 50年前に開発された自然環境豊かな地域

 箱の浦は約50年前に開発された一戸建ての住宅団地で約820世帯。人ロは約1900人、高齢化率は41・2%で阪南市の西端にあり、北は大阪湾の里海公園、南は和泉山脈に囲まれた自然環境豊かな地域です。

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箱の浦朝市

 高齢化と交通不便で「買い物困難」地域に

 10年ぐらい前から一人暮らしの高齢者が増え、交通の不便と買い物が困難なために、便利なところや子どもさんの元に引っ越しする方が増える中で、ボランティア活動経験者・有志らが集まって「箱の浦自治会まちづくり協議会」を結成しました。

 最初に取り組んだ事業は高齢者の居場所づくり「おしゃべりサロン」(100円喫茶)を開設。11月には地元の漁師や農家の協力を得て、毎週土曜日の朝市を開催。その後、生協の「移動販売車」巡回販売などで「買い物困難地域」を解消しています。

 お客さまから「近くに大型スーパーもできたが、産地がはっきりして安心」「鮮度が違う、毎週、楽しみにしている」などの声が寄せられています。

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品ぞろえ豊富で買い物客は助かっています

 毎回30種類の野菜・果実をそろえて販売

 開設当時は、組合員の野菜を中心に販売してきましたが、「野菜の品ぞろえが欲しい」との要望を受けて、泉州地域の「旬の野菜」はもちろんスーパーに行ったら手に入る野菜をそろえるために、JA(農協)直売所、民間の直売所などから仕入れて、毎回30数種類の野菜、果物を販売しています。

 この間の取り組みを通して、泉州地域の農地と都市農業を守り発展させることが、地域を守り「いつまでも住み続けられる」まちづくりの保障であること、国連が提起した持続可能な社会(SDGs)、「家族農業の10年」の実践でもあると実感しています。

 (朝市はコロナ対策のため8月いっぱいはお休みになります)

(大阪・農民組合阪南支部協議会事務局長 下村晴道)

(新聞「農民」2021.8.23付)
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2021年8月

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