「農民」記事データベース20210809-1468-09

食料支援制度の実現を


食べたくても食べられない

国は生活困難者に食料を届けよ!

 コロナ禍による失業や自宅待機で生活が困窮する女性や学生が全国で生まれ、食料支援活動が取り組まれています。

 食べたくても食べられない人たちがいる一方で、菅政権は、農家に史上最大の生産調整(減反)を押しつけています。命も食料もないがしろにする菅政権は政府として失格です。

 欧米の手厚さに比べて
 貧弱な日本の食料支援

 農民連は食料支援制度の実現を提案し、政党や団体と懇談。賛同する声が農業団体や米業界、与野党を超えて広がっています。

 アメリカやフランスでは、政府がフードバンクに食品を提供しています(表)。

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 公的支援をともなう食料支援制度がないのは日本だけです。

 その結果、アメリカの食料支援739万トンに対し、日本は0・3万トンにすぎません(消費者庁調査)。

 国をあげての支援制度の実現が必要です。

 過剰米を政府の責任で困窮する国民に行き渡るようにすることは、その第1歩です。

 米は国民の命の糧
 総選挙で農政の大転換を

 もうすぐ総選挙です。

 安倍・菅自公政権は、米の流通を市場任せにして国民の主食の生産と流通を不安定にしてきました。安倍・菅自公政権に代わり、市民と野党の共同で、米の需給と価格の安定に責任をもつ野党連合政権をつくりましょう。

 コロナ禍で見えた
 食料自給率38%の不安

 コロナ禍のもとで世界の飢餓が悪化しています。

 国民の食料を自国でまかなうことの重要性が改めて明らかになったのではないでしょうか。2019年から28年までは国連が定めた「家族農業の10年」。家族農業を守る農政に転換し、食料自給率を向上させましょう。


支援の現場ではお米は足りない

支援活動にとりくむ『おおさか市民ネットワーク』
代表 藤永のぶよさん

 コロナ禍で米余りだと言うけれど、支援の現場では食べられない人がいっぱいいて、本当にお米が足りません。こんなに困窮した人がいる時に、国がお米を買い上げて配るのは、当たり前です。

 フードバンクをやると、この炎天下に80歳近いおじいさんが1時間も自転車をこいで来たり、若いお母さんが6人の子どもを連れて来たりして、長蛇の列ができます。パンや麺もあるけれど、日本人にはやっぱりお米が主食。若い学生さんだって、いざとなったら「お米が欲しい」と言うんですよ。

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学生たちがフードバンクで食料を求めて長蛇の列(福岡県)

 私たちは支援のお米を「まごころ米」と言っていますが、これも生産者のみなさんが作り続けて下さっているからこそ届くものです。なのに国はその生産者をきちんと守らない。

 もう黙っていたらアカン! 私たち貧困ネットワークとしても、国に買い上げを強く求めています。


農民連は提案します
(1)過剰在庫を買い入れるなど、生産者米価の暴落を阻止すること
(2)コロナ禍による生活困難者への食料支援を政府の責任で行うこと
(3)ミニマムアクセス米の輸入は縮小・中止せよ
(4)飼料用米などへの産地交付金の増額をはかること
(5)政府の責任で主食の価格と需給の安定をはかること

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(新聞「農民」2021.8.9付)
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2021年8月

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