旬の味
東北地方の梅雨明け宣言と同時に、30度を超える日々が到来した。わが家のメインは酪農。基本的に乳牛(ホルスタイン)は暑さに弱く、体調を崩し倒れるという話もよく聞く。ただわが家の牛たちは暑さで倒れることはほとんどない▼放牧を常にするわが家の牛は気温に応じて臨機応変な立ち回りで巧みに環境に適応する。33度にもなろうかというこの日。朝、搾乳後、牛たちを放牧すると、まず広げておいた乾草に向かい草を食べていた▼しかし暑すぎると判断したのか、すぐに食べるのを切り上げ、小高い林の中へ向かい、しばらく涼んでいた。実際にそこは低い場所よりさらに涼しく、自分も過ごしやすいと実感するほどだ▼牛たちの目に温度センサーがついているのではと思うほど、迷うことなく最適な場所へ向かう姿に、動物のすごさを改めて思い知る。牛が本来過ごしていた自然のなかこそ、記録的な猛暑などの異常気象に対応できる環境なのではないかと人の手を借りずともくつろぐ姿に強く思う。 (K)
(新聞「農民」2021.8.2付)
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[2021年8月]
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