アメリカのわずか0.4%日本の食料支援対策は
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「一番ほしいと言われるのがお米です。公的な支援制度が絶対に必要です」とボランティア(今年6月、東京・練馬のフードバンクで) |
また、農水省は、民主党政権時代の2010年に公表した報告書で「日本においても余剰農産物等をフードバンクに回すことができるような仕組みづくりについて検討の余地がある」と指摘していました。
しかし、菅政権は“米の緊急買い入れは備蓄制度の趣旨に反するから断固できない”と言い張っています。
6月26日に開かれた自民党「農業基本政策検討委員会」では「政府備蓄米の緊急買い入れで早急に50万トンを隔離すべきだ」という意見が噴出。コロナ禍で数十万トンの米過剰が発生し、農家は米価暴落に直面しているのですから当然のことです。
菅政権は、なぜアメリカのように、フードバンクや子ども食堂などを通じた人道支援のための政府買い入れさえしないのか? 苦しむ国民、苦しむ農家を放置する冷血政治と、国民の命を危険にさらしてでもオリンピックを強行する暴走政治は共通しています。
表2に貧困・飢餓についてのデータを示しましたが、ここからいえるのは、(1)子どもの7人に1人が貧困状態にある、(2)とくに子どもがいる一人親世帯の貧困率は50%を超えており、OECD(経済協力開発機構)諸国中最悪、(3)食料困窮、つまり食べるものがないと感じた経験がある世帯が7世帯に1世帯あり、子どもがいる一人親世帯では4割近くに達していることです。
これはコロナ以前のデータです。コロナ禍が発生するもとで、状態がますます悪化していることは、NGOのシングルマザーのアンケートからも明らかです。食料困窮を感じる人が30%、フードバンクを利用したい人が58%、しかし現実に利用した人は4%にすぎない……。
これ以上、冷たい政治を続けさせるわけにはいきません。
農民連と食健連は、コロナ禍で増えている生活困窮者への食料支援策を、省庁の枠を超えて緊急に実施させる運動を政府に迫るとともに、都道府県や市町村にも独自の支援策を求めて、個人・団体の署名など国民的な大運動を呼びかけています。
※【訂正】 9月6日号にて、以下の訂正がありました。
8月2日付1面「日本の食料支援対策は並外れた貧弱さ」の表1「貧弱! 日本の食料支援対策」のなかの日本政府の支援で、「備蓄米総量91万トンのうちわずか0・2%」となっているのを「0・002%」※1に訂正します。
2021年9月13日、訂正しました。
[2021年8月]
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