反貧困ネットが院内集会
女性や若者、外国人の
困窮がますます深刻化
反貧困ネットワークは7月12日、国会内で「新型コロナ災害緊急アクション『コロナと貧困に殺される』活動報告集会」を開催しました。
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野党4党の代表が討論に参加しました |
世話人の雨宮処凛さんが主催者あいさつ。「10、11日に行った『女性のための相談会』で、124人の相談を受けた。3月の相談会でも122人。これまでにないような大規模な雇い止めなどで、家庭の困難が女性にしわ寄せされている」と話しました。
瀬戸大作事務局長は「1年数カ月たって、自殺未遂者などからの相談が増え、行政に相談しても追い返されるなど、困窮者の孤立が、悪化してきている。人を助けるはずの福祉制度が、困窮者を死に追いやってしまいかねない」と行政の対応の冷たさを指摘。「5月以降、20代や30代の人の相談が急増している。飲食業などの休業の影響が出ている」と若い世代に困窮が広がっている状況厳しい状況を報告しました。
住宅問題では、困窮者の住居の確保の困難な状況を説明し、「都内の一部の区では既存の制度を利用し住宅の確保をしている」と一時利用住宅の無償提供などの仕組みを作ることや住宅保護基準の見直し、災害救助法を準用した仮設住宅の提供などを提案しました。
また東京都の一部の区が生活保護申請者向けに一時的な住居として提供しているビジネスホテルが、オリンピック組織委員会に押さえられており、「利用者が追い出される事態になる」と指摘しました。
労働相談の多くが非正規、女性
分野別の報告もあり、生活保護では扶養紹介が申請の妨げになっている現状や、改善を要求し、ある程度、申請者の意思が尊重される改善通知を勝ち取ったことなどが紹介されました。
外国人の困窮状況では、特に在留資格のない外国人や、短期の在留資格の更新を繰り返している人たちは公的な支援をほとんど受けられないことがあります。中長期の在留資格を持ち、公的支援を受けられる人も、「生活保護を受けると在留資格の更新をしない」と入管で言われるため、申請をためらう人がほとんどであるなど、「外国人であること自体がペナルティー」となっている現状が報告されました。
労働相談の現場からは、「労働相談の4分の3が非正規。その7割が女性で、1割が学生。相談の7割は休業補償に関するもの。シフトを減らされても非正規やアルバイトは休業補償の対象とされず、自らやめていく道に追い込まれている」と理不尽な現状が報告されました。
後半は各政党の代表と討論会を行い、立憲民主党の長妻昭衆院議員、日本共産党の宮本徹衆院議員、国民民主党の矢田わか子参院議員、れいわ新選組の山本太郎代表が参加しました。
(新聞「農民」2021.7.26付)
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