「農民」記事データベース20210712-1464-10

旬の味


 家族農業と子育て。息子が1歳の時、生活の基盤とすべく農業を始めた。それまでの5年間に主人は農業法人に就職して経験を積んだ。独立して1年目は50メートルのハウス2棟で、翌年は新しい3棟のハウスも加わり計5棟で果菜類を作った▼新しい3棟のハウスを建てたころ息子は2歳になっていた。農業とは別の仕事をしていた私も徐々に手伝うようになった。夕方、保育園に息子を迎えに行き、風呂だけ済ませ、一緒に車で15分の場所にある畑に向かう▼畑に着いて作業小屋にうず高く積まれたトマトを、せっせと拭いてサイズごとに箱に詰めていく。息子はその間ひたすら畑で遊ぶ。よく動き回る子だったが、田舎の畑で車の心配もなく、目の届く範囲で遊んでいるので安心だった▼午後7時を過ぎて四方の田んぼからカエルのゲコゲコ合唱が始まると、ピクニックみたいに敷物を敷いて夕飯をとった。夜になっても仕事は続くので、遊びに飽きた息子はコンテナの上にひかれた布団ですぐに眠る。そんな毎日だった。

(恵)

(新聞「農民」2021.7.12付)
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2021年7月

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