農家が得する
税金コーナー
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農民連の税金対策に確信
農民連の「税金対策3つの柱」と「農民連の自主申告運動の原則」(『税金対策の手引き』10ページ)を再確認し、確信を持てる出来事がありました。
会員宅に「税務調査が入る」と聞き、事前の打ち合わせとともに、記帳と納品書など書類の確認を行い、調査に臨みました。
同席は認められなかったが、離れたところで対応
調査当日に、税務署員は守秘義務をタテに「同席は認めない」としましたが、会員さんが「この人たちとはよく相談してきたので何も隠す必要はない」と詰め寄った結果「同席は困るが、仕切りの建具もないが、少し離れてください」(会員さん宅は、日本家屋でしたが建具がない状態で30畳くらいが1室)となり、2人の立会人は少し離れていました。
調査の9割は、売り上げの確認
「収入はごまかさず、経費はチリ一つ残さず」の大切さを確信することがありました。調査は、青色申告ということもあり、帳簿と入金状況の確認に時間を割いていました。
19年分の確認では「9月までは入金を売り上げとし、10月からは入金金額より売上金額が多いのはなぜか」と質問され、当初会員は「計算が間違ったのかな」と言っていましたが、しばらくして「消費税の引き上げと軽減税率で、計算が変わった」ことを思い出し、そのことを告げると「総額処理と純額処理をきちんとされたのですね」と感心した様子でした。
売上金額と口座入金額の照合がほとんどでした。「入金額と帳簿が違うところがある。なぜか」とその質問でも「売上金額と資材購入金額を相殺して振り込んであるので、金額は違うが伝票を確認してほしい」と資材購入先の請求書を確認する中ではっきりしました。
『手引き』に基づいた記帳が力に
この方はかつて税務署窓口で相談して申告していました。最近は、農民組合の学習会にも参加し『手引き』の学習の中で青色申告における給与所得控除や所得税と消費税を学び、今回の調査に備えました。調査でも会員さんがほとんどやりとりする中で進みました。
消費税に軽減税率についても、「純額処理と総額処理」の違いについても理解する中での対応でした。
領収書についても最近ファイルに月別に処理をしていたため、調査にも的確に答えることができました。
1回目の調査を終えたとき、税務署員は「お世辞ではなく、よくつけていました」と述べていました。2回目の時は、1回目で預かった書類を返却し「これですべて終わりです。大きな間違いはありませんでした」と述べ、調査が終わりました。
(新聞「農民」2021.7.5付)
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