「農民」記事データベース20210628-1462-10

旬の味


 島根県の西端にある益田市。私の妻の産まれた土地で牛を山に通年放牧する酪農、山地酪農を実践して5年になる。現在はジャージー牛1頭と、繁殖用和牛3頭、和牛子牛1頭を3町歩に通年放牧している▼春先はとにかく忙しい。冬場を乗り越えるための牧草の収穫は天候との勝負。このとき作る越冬飼料の品質で1年が決まるとても重要な作業だ。耕作放棄地を直した8反の採草地ではあるが、作業は今までほとんど手作業だったため、大変な苦労であった▼今年から小型の採草機械を導入したため、今後は効率的に作業を行えそうだ。私も妻も市の嘱託として共働きしているため、予定の組み立ては神経を使う。牛たちは春先の柔らかく栄養価の高い新芽や、タケノコを豊富に食べるため、最も牛が肥える季節でもある▼4月から5月にかけては自生の草だけでは足りないので、近場に生えている野草も刈り取って与える。山の中の牛舎にいると、あふれかえるような命の力が感じられ、この仕事にやりがいを感じる。

(T)

(新聞「農民」2021.6.28付)
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2021年6月

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