“気候危機”止めて!!
脱石炭・脱原発のエネルギー政策求め
環境団体などが27万人分の署名提出
私たちに残された時間はあと4年
「化石燃料も原発も使わない、持続可能な再生可能エネルギー100%の気候・エネルギー政策」などを求める行動を昨年12月から展開している「あと4年、未来を守れるのは今」キャンペーンが6月10日、署名を政府に提出しました。
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署名を政府に手渡すキャンペーンの青年たち |
スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんらに触発され、日本でも気候危機に声をあげようと運動する青年たちのネットワーク「フライデーズ・フォー・フューチャー」をはじめ、環境NGOなど242団体が同キャンペーンに賛同。菅首相も出席した6月11日からイギリスで開催されたG7サミット(主要7カ国首脳会議)に合わせて、半年足らずで集められた27万余に及ぶ署名を、経産省、環境省など諸官庁に手渡しました。
気候危機による壊滅的な影響を回避するためには、気温上昇を1・5度に抑える必要があり、温室効果ガス排出を2030年には2010年比で半減させなければなりません。そのためには、20年から10年間かけて削減する場合、毎年7・6%ですむところ、現状を25年まで先延ばしして後ろ5年間で削減しようとすると、その5年間は毎年15・4%もの削減が必要となり、これはほぼ不可能と言われています。つまり「私たちに残された時間はあと4年」という切迫した意味が、このキャンペーンには込められています。
政府内では現在、中長期のエネルギー政策を定める「エネルギー基本計画」の見直し議論が進められており、この夏にも決定される見込みです。署名では、30年の再エネ目標を60%に、50年には100%とし、原発や石炭火力の廃止を求めています。
猛暑で1等米減 気候危機を実感
提出集会で、フライデーズ・フォー・フューチャー新潟で活動する大学生の三島のどかさんは、「2019年に私のふるさと新潟のコシヒカリの1等米が2割以下になり、米農家の祖父から『今年は猛暑で熱帯夜が続いているから』と聞いたとき、異常な気候が身近な農作物まで影響を及ぼす非常事態になっていると実感し、気候危機が“自分事”になった」と発言。「気候危機は遠い国でも、遠い未来でもなく、今、この日本で起きている。弱者を置き去りにせず、未来世代に胸を張れる持続可能な社会へのシステムチェンジを求める私たちの思いを、どうか政策に反映させてほしい」と訴えました。
この日は署名提出のほか、全国各地122カ所で、自治体の役所前などでプラカードなどを持って訴えるスタンディングの行動が行われました。
(新聞「農民」2021.6.28付)
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