旬の味
3月下旬、母がコタツを片付けようと言い出す。数日前から岩手県北も20度を超える季節外れの気温となり暖房はもう不要と判断したようだ。結局、父の「またすぐ寒くなる」の一言で制止された▼案の定4月は気温が一気に低くなった。しかし3月のあの高温はやはり異常というほかない。農業を始めて6年。年々気候の極端さが際立ってきた▼昨冬も積雪は少なかったものの、寒さが尋常ではなく、正月明けにはマイナス16度を記録した。まさに今まで通りのことが通用しない世界になってきていると感じる。農業において天気は最も重要で、地域の農業形態もその土地で長い時間の中で天候に合わせ培われてきたものである▼気候変動が多発することはこれまでの常識が通じず対処のしようのない事態が頻繁に起こるということであり、今後も変わらず作物を生産できるか正直不安になる▼最近は持続可能な社会と叫ばれるようになったが、まずは何より安心して食べ物を作っていける世界を目指してほしいと思う。 (K)
(新聞「農民」2021.5.24付)
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[2021年5月]
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