RCEP批准阻止
地域農業への打撃甚大
農民連 食健連
国会前で抗議の座り込み
農民連と全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は連日、RCEP(アールセップ)(アジア包括的経済連携協定)への抗議行動を展開しました。21日には、国民大運動実行委員会などが主催する国会前行動で食健連の舘野豊事務局長が、RCEP批准阻止の決意を表明しました。
参議院外交防衛委員会で与党の質疑と参考人質疑が行われた22日には、国会議員会館前で抗議の座り込みを行いました。
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国会前で座り込みをする農民連と食健連=4月22日 |
徹底した審議を強く要求する
全農協労連の砂山太一委員長は「農業を犠牲にしてまで自動車産業を成長させるやり方に大きな疑問がある。代表格のトヨタ自動車は税金すらまともに払っていない。労働者の賃金もまともに払わず賃上げもしない。こうした会社を成長させることが国の成長につながるのか」と指摘。徹底した審議を要求しました。
午前中の与党審議終了後には日本共産党の井上哲士、紙智子両参院議員が駆けつけました。
井上議員は「与党は参考人質疑も終わらないうちから採決日程を決めようとしていた。参考人に対しても極めて無礼だ」と与党側の姿勢を批判。紙議員は、「影響が分かる資料を要求しても、茂木外務大臣は『膨大過ぎて出せない』と出さず、農水省も影響評価も一切出さないにもかかわらず、『影響はない』の一点張りで、無責任な態度だ」と企業の利益だけを追求する政府の姿勢を批判しました。
参考人として質疑に参加したアジア太平洋資料センター(PARC)の内田聖子代表理事も行動に参加。「TPP(環太平洋連携協定)は100時間かけて審議したのに、わずか8時間の審議とは手抜きの審議だ」と指摘。参考人として「交渉の過程を明らかにしてしっかりと審議をすることを要求する」と話しました。
力をあわせて流れを変えよう
農民連の笹渡義夫副会長が決意表明。「農業の影響や、日本が途上国への加害国となる危険など、さまざまな問題をほおかむりして国民が知らない間に承認案を通そうとしている。力をあわせて、流れを変えていこう」と訴えました。
(新聞「農民」2021.5.3付)
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