発見
農の現場から
富山県農民連会長
林 新義(しんぎ)
2桁の新会員迎え明るい光に
要求広げつながりを更に強く
私はこのたび、富山県農民連の定期大会で図らずも県連会長に就任することになりました。
1963年から、労働組合を通して労働運動に携わり、以来、自分の立ち位置は一つでも多くの情報を得ることのなかで、情勢を考えて自分の立場を決めるよう努めてきました。結果はともかくとして、「人」は集団(組織)のなかで成長し、併せて「立場が人をつくる」のでは、と思ってきました。
しかし、高齢という年波に負けそうになってきた今、健康であることが大前提だと痛感しています。
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立山連峰を望みながら耕起作業に精を出す林会長 |
わが富山県は、地理的にも歴史的にも他県と比較して目立ちにくい存在ですが、立地環境は、富山湾と立山連峰という大自然に恵まれ、農を営むには最高に多様性を含んだ土地柄です(政府の農政さえブレなければ……)。
集落営農で経営支援、
後継者対策に取り組んで
60歳で金融機関を定年退職し、就農しました。その年に集落営農組合を結成。初代代表理事に就任し、10年間務めました。
今は、集落営農で約72ヘクタール、米、麦、飼料用米を作付けしています。米はコシヒカリ、あきだわら、てんたかくなど。私はそのうち2・4ヘクタールを担当しています。
桜も散り始めようとしているいま、農家の関心事といえば、今年の米価の行方と担い手・後継ぎ不足、増加する農地の放棄地など深刻な話題ばかり。戸別所得補償の廃止で経営はさらに厳しくなっています。現農水大臣は、米どころ富山県出身ですが、「これからの農政に期待できる」という農家の声は聞こえてきません。
春の大運動の取り組みのなかで、県連として久々に2けたの仲間を迎えることができ、明るい光が見えてきました。しかし、まだ全県的な成果とはなっていません。
県連としては、これを大きな足掛かりとして、雪害対策、税金相談会、産直組合運動の強化など、つながりを強くする働きかけを二度三度と繰り返し、一致する要求を大きく広げなければならないと考えています。
そのためにも、10月までに行われる総選挙で、野党が共闘して政権交代を実現し、新しい連合政権づくりを目指さなければと決意しています。
(新聞「農民」2021.4.19付)
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