「農民」記事データベース20210405-1451-10

「農は地球を救う!」をテーマに

今こそ農業の価値を発信しよう

青年部第29回総会開催


 「農は地球を救う!」をテーマに農民連青年部は第29回総会を3月20日にオンラインで開催しました。

 コロナ禍の中見えてきた、農業・農村の価値を語る総会となりました。

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各地の現状を交流しました

 平間徹也部長は「コロナ禍で農業の価値の見直しが進んでいる。気候変動問題含め『今の地球を救うのは農業だ』ということに自信を持とう」と開会あいさつで述べました。

 農民連の長谷川敏郎会長はあいさつで、自らの営農を紹介しながら「米価問題は米農家の離農につながり、地域の存続にかかわる問題」と話し、「今の農業の流れを変えて、みなさんが中心になった時、多くの青年が農業をがんばれるようにしていきたい。ともにがんばりましょう」と話しました。

 特別討論企画「アフターコロナの生き方」では、3人のパネリストが、それぞれの農業の状況やコロナ禍の影響、乗り越えるための方策を語りました。

 京都府の植田修さんは、コロナ禍の影響で荒茶の値段が下がっている現状を紹介。「日本にとってお茶はかけがえのないものでありますが、若者のお茶離れも起きています。しかし、すべての人が生きていくためには何かを食べる必要があります。生産者がいなくなると困るのは消費者です。ここが踏ん張りどころ。ここ2〜3年を乗り越えられれば、展望はあるはずです」と生産を続ける展望を語りました。

 宮城県の村岡次郎さんは、有機栽培の野菜を仙台市内で対面販売。「有機栽培の多面的価値に対する理解度にアメリカと大きな差があります。仙台で販売しても、『有機農産物だから買いたい』といわれることは少ないです」と語り、対面販売を通じて価値を伝え、経済偏重の社会でいいのか考えて行動するきっかけにしたいと話しました。

 群馬県の山村聡さんは「酪農の方は全量が工場へ出荷なので大きな影響は出ていませんが、観光釣り場とチーズ工房は大きく影響を受け、全体では3割の減収となりました」と報告。「チーズは同じ種類でも工房によって味が違います。インターネット販売ではそこが伝わらず、クレームにつながることもあります」と対面での販売にこだわる理由を述べ、自分の商品のファンを大切にすることがコロナ禍を乗り切るカギになると話しました。

 討論では、米農家からも「個人客は増えたが、取引先の飲食店の廃業や保育園の休園分の在庫がだぶついている」との状況も報告されました。

 また、自分の商品に込められた思いを一緒に語ってくれる仲間を増やすことや、自分の思いや有機農業の価値など、農家からの発信の重要性も語られました。

 総会では「コロナ禍で活動がほとんどできなかった昨年の反省を踏まえ、オンラインの活用などで積極的な活動を作ろう」と再始動の決意を込めた方針案と新役員案などが決議されました。

 新役員は次の通り。

 部長=平間徹也(再、宮城)、副部長=山村聡(再、群馬)、事務局長=渡辺信嗣(再、本部)、会計=小田川遥平(再、分析センター)、幹事=植田修(再、京都)、関根耕太郎(再、埼玉)、鶴巻太樹(再、新潟)、会計監査=梅澤準(再、千葉)、八田純人(再、分析センター)

(新聞「農民」2021.4.5付)
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2021年4月

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